「ソロキャンプを始めようと思ったきっかけは、テレビで観たあの芸人さん」――そんな人は少なくありません。焚き火の前で黙々と肉を焼き、ナイフで薪を割り、ひとりの時間を楽しむ。その姿に火をつけられた人が、いまの日本のキャンプ人口を押し上げました。検索で「キャンプ芸人」と打つあなたも、きっと誰かの動画や番組を観て「自分もやってみたい」と思った一人ではないでしょうか。
結論から言うと、いまのソロキャンプ文化を作ったのは、ヒロシさん率いる「焚火会(たきびかい)」を中心としたキャンプ芸人たちです。彼らは流行に乗ったのではなく、流行が来る前から本気でキャンプにのめり込み、その熱量がそのまま視聴者に伝わってブームになりました。だからこそ、彼らの使うギアや道具選びの考え方は、初心者が真似するうえで最高のお手本になります。
この記事では、ヒロシさん・バイきんぐ西村さん・うしろシティ阿諏訪さんといった代表的なキャンプ芸人のスタイルと愛用ギアを具体的なスペックつきで紹介しつつ、初心者が真似するときに「まず買うべき1本」や予算別の揃え方、安全に楽しむための注意点まで、焚き火を囲んで仲間に教えるつもりで丸ごと解説します。
・ソロキャンプブームを作った「焚火会」とキャンプ芸人の全体像
・ヒロシ・西村・阿諏訪ら主要キャンパーの愛用ナイフ・焚き火台・道具
・芸人スタイルを真似するときに最初に買うべき1本と予算別の揃え方
・ナイフの銃刀法や焚き火マナーなど、安全に楽しむための注意点
キャンプ芸人がソロブームを作った|「焚火会」という発明

いまや国民的な趣味になったソロキャンプですが、その火付け役をたどると必ず行き着くのが、芸人たちの存在です。テレビ番組やYouTubeで「ひとりで自然の中にいる時間の心地よさ」を伝え続けた結果、道具の知識ゼロだった人たちが次々とフィールドに出るようになりました。まずは、その中心にある「焚火会」というグループから整理していきましょう。
焚火会とは?ヒロシ率いるソロキャンパー芸人集団
焚火会は、芸人のヒロシさんを中心に結成されたソロキャンパーの集まりです。メンバーにはバイきんぐ西村さん、うしろシティ阿諏訪さん、ベアーズ島田キャンプさん、じゅんいちダビッドソンさん、とろサーモン村田さん、スパローズ大和さん、ウエストランド河本さんなどが名を連ねます(キャンプ&ナイフの教科書調べ、2026年6月時点の各種番組・公式情報より)。固定の会員制ではなく、企画ごとに参加メンバーが入れ替わるゆるい集団なのが特徴です。共通しているのは、全員が「仕事だからやっている」のではなく、本気でキャンプが好きだという一点。だからギア紹介にも説得力があります。注意したいのは、メンバー構成は流動的なので「誰が正式会員か」を厳密に語る情報は当てにならないこと。あくまで雰囲気として楽しむのが正解です。
一緒にいても干渉しない「ソロの集団」という発明
焚火会のおもしろさは「みんなで集まるのに、それぞれが勝手にソロキャンプをする」という矛盾したスタイルにあります。同じ場所に集まっても、サイト作りも焚き火も料理も各自バラバラ。気を使わず、話したくなければ話さない。この「ゆるいつながり」が、人間関係に疲れた現代人の心に刺さりました。ファミリーキャンプの賑やかさとも、完全な孤独とも違う、第三の楽しみ方を提示したわけです。これからソロキャンプを始める人にとっても、「無理に誰かと盛り上がらなくていい」という安心感は大きな後押しになります。一方で、集団で行く場合はサイトの間隔やゴミの分担など最低限のルールだけは決めておかないと、自由が無秩序に変わってしまう点には気をつけたいところです。
なぜ芸人のキャンプ情報は信頼されるのか
キャンプ芸人の発信が信頼される理由は、彼らが「売るため」ではなく「好きだから」道具を選んでいる点にあります。メーカーの宣伝色が薄く、デメリットも正直に語る。重いギアは重いと言い、失敗した道具は失敗だったと言う。この正直さが、スペック表だけでは伝わらない「実際どうなのか」を補ってくれます。ただし注意点もあります。芸人が使っているギアは数年使い込んだ高価なものも多く、初心者がそのまま真似すると一気に数万円が飛びます。憧れのスタイルと、自分が始められる現実的なスタイルは分けて考えるのが賢いやり方です。スペックや価格は時期で変わるため、購入前に必ず最新情報を確認しましょう。
番組とYouTubeがブームを牽引した
ブームを支えたのは、繰り返し観られるコンテンツの存在です。ヒロシさんのYouTube「ヒロシちゃんねる」や、BS番組「ヒロシのひとりキャンプのすすめ」は2026年も継続的に放送・配信され、沖縄スペシャルなどの企画も組まれています。バイきんぐ西村さんは広島のローカル番組「西村キャンプ場」で地域の自然と焚き火の魅力を伝え続けています。動画というメディアは、テントの張り方や焚き火の着火、料理の手順を「見て真似できる」のが強み。文字や写真では伝わりにくいキャンプの空気感を、初心者がそのまま吸収できるようになったことが、爆発的な裾野の広がりにつながりました。
焚火会には公式ステッカーがあり、ファンの間で人気です。「会員証」のようなものはなく、あくまでヒロシさんを中心とした有志の集まり。番組やYouTubeのコラボ企画で顔ぶれが変わるので、「今回は誰が来るか」を楽しむのがファンの醍醐味です。
ソロキャンプの代名詞ヒロシ|無骨スタイルと愛用ギア
キャンプ芸人といえば、まず名前が挙がるのがヒロシさんです。「ヒロシです……」のネタでブレイクした後、ソロキャンプという第二の人生を切り開き、いまや本業がどちらか分からないほどのキャンパーになりました。その道具選びは無駄がなく、初心者が学べるポイントの宝庫です。
ヒロシの愛用ナイフ|ヘレ ディディガルガルの実力
ヒロシさんの代表的な愛用ナイフが、ノルウェーの老舗ブランド「ヘレ(HELLE)」のディディガルガルです。刃厚は約3.0mmあり、刃の根元から柄の先までが一本の金属でつながったフルタング構造のため、薪を割るバトニングにも耐える頑丈さがあります。北欧らしい木製ハンドルの握り心地と、使い込むほど味の出る佇まいが魅力です。使うシーンは、フェザースティック作りから薪割り、調理までこなすオールラウンドな相棒として。注意点は価格で、ヘレのナイフは2万円を超えるモデルも多く、初心者がいきなり買うには勇気がいります。同じフルタング構造なら、もっと手頃な入門ナイフから始めるのが現実的です。

焚き火台とコンパクト装備に貫かれた哲学
ヒロシさんの装備に共通するのは「軽く、コンパクトに」という哲学です。焚き火台は重量約450g前後の薄く折りたためるスイス製タイプや、笑’s(ショーズ)の「B-6君」のような手のひらサイズのものを使い分けます。重量が軽いほど荷物が減り、徒歩やバイクでの移動キャンプがぐっと楽になります。火吹き棒はファイヤーサイドのファイヤーブラスターなど、定番の道具を堅実に選ぶのもヒロシ流。派手なギアより、長く使える実用品を好む傾向があります。デメリットとしては、コンパクトな焚き火台は薪を小さく割る必要があり、太い薪をそのまま豪快に燃やしたい人には物足りない場合があること。自分のスタイルに合わせて選ぶのが大事です。
ヒロシちゃんねるや番組から学べること
ヒロシさんの発信から初心者が学べる最大のポイントは「キャンプは静かでいい」という価値観です。無理に何かを成し遂げようとせず、ただ焚き火を眺めて酒を飲む。その肩の力の抜けた姿が、忙しい日常を送る人の理想になりました。一次情報として、番組の公式サイト(ヒロシのひとりキャンプのすすめ 公式)では放送回ごとに使用ギアや訪問キャンプ場が紹介されており、信頼できる情報源になります。注意したいのは、テレビ用に演出された部分もあること。実際のソロキャンプは地味で時間がかかる作業の連続なので、最初から完璧を目指さず、まずは近場で一泊することから始めるのがおすすめです。
| 商品名 | ヘレ ディディガルガル(ヒロシさん愛用ナイフ) |
| メーカー | HELLE(ヘレ/ノルウェー) |
| 価格帯 | 約20,000円〜(モデル・取扱店により変動) |
| 刃厚 | 約3.0mm/フルタング構造 |
| 特徴 | 木製ハンドル・バトニング対応のオールラウンドナイフ |
| 向く人 | 無骨で長く使える一生モノを探す中級者以上 |
『西村キャンプ場』バイきんぐ西村の本気すぎる焚き火愛

ヒロシさんと並ぶキャンプ芸人の双璧が、バイきんぐの西村瑞樹さんです。広島のローカル番組「西村キャンプ場」で全国にファンを増やし、ついには自分の山まで手に入れたほどの沼っぷり。その熱量と道具へのこだわりは、見ているだけで楽しくなります。
西村の愛用ナイフ|クードマン・オピネル・モーラの使い分け
西村さんはナイフを用途で使い分けるタイプです。メインには柄がオリーブの木でできた海外メーカー「クードマン」のサバイバルナイフ、料理には折りたたみのオピネルを2本、そして薪を割るバトニング用には頑丈なモーラナイフを使い分けています。1本で全部こなすのではなく、調理用とハードユース用を分けるのは理にかなったやり方です。理由は、料理に使う刃を薪割りでガタガタにしたくないから。初心者がこのスタイルを真似するなら、まずはオピネルとモーラナイフの2本から始めると、合計5,000円前後で「料理用」と「焚き火作業用」が揃います。注意点は、ナイフを複数本持ち歩く際の銃刀法対応で、これは後の章で詳しく触れます。
火吹き棒8本!焚き火道具へのこだわり
西村さんのこだわりを象徴するのが火吹き棒のコレクションです。ファイヤーサイドの「ファイヤーブラスター60」を軸に、さまざまなメーカーの火吹き棒を8本も集めているというから筋金入り。トングは野良道具製作所の「野良ばさみ」、クーラーボックスはYETI(イエティ)の「ローディ20」と、無骨で頑丈な道具を好みます。火吹き棒は数百円から買える小物ですが、焚き火の火力を自在に操れる地味な名脇役。初心者でも1本あると着火が驚くほど楽になります。デメリットとしては、こだわり始めると西村さんのように沼にハマって出費がかさむこと。最初は100均や1,000円前後の1本で十分です。
自分の山を買うレベルの「キャンプ沼」
西村さんのキャンプ愛は、ついに「自分の山を持つ」というレベルにまで到達しました。番組内でも自分のフィールドで焚き火を囲む姿が紹介され、視聴者を驚かせています。「冬キャンプ一択」と公言するほどの冬好きで、虫が少なく空気が澄んだ寒い季節の焚き火の良さを語る姿は、多くのファンを冬キャンプに引き込みました。一次情報として、番組の公式サイト(西村キャンプ場 公式)では訪問キャンプ場や使用ギアが確認できます。初心者がいきなり山を買う必要はありませんが、「冬キャンプは上級者だけのもの」という思い込みを外してくれた功績は大きいといえます。ただし冬は防寒装備を整えないと命に関わるため、装備を揃えてから挑むのが鉄則です。
ナイフは「1本で全部」より「料理用」と「焚き火作業用」を分けると刃を傷めにくく長持ちします。初心者ならオピネル+モーラナイフの2本体制が、合計5,000円前後で組めてコスパも抜群です。
ガチ勢・うしろシティ阿諏訪に学ぶブッシュクラフト
焚火会の中でも「最もガチ」と評されるのが、うしろシティの阿諏訪泰義さんです。整備されたキャンプ場よりも自然に近い場所を選び、道具を最小限に減らして自然のものを使う「ブッシュクラフト」を体現する存在。初心者には難易度が高いものの、その思想からは学ぶことが山ほどあります。
道具を減らして自然を使う野営スタイル
阿諏訪さんのスタイルは、持っていく道具を必要最小限まで削ぎ落とし、足りないものは現地の自然から調達するというものです。木を削って食器やフックを作り、落ちている枝を組んでタープを支える。この「自分で作る」発想がブッシュクラフトの核心です。メリットは、荷物が軽くなり、技術が身につくほど道具が要らなくなること。デメリットは、相応のナイフ技術と知識が必要で、初心者がいきなり真似すると火も起こせず一夜を凍えて過ごすことになりかねない点です。まずはキャンプ場で焚き火と簡単な木工から練習し、段階的にレベルを上げていくのが安全です。

DDタープとハンモック泊という選択
阿諏訪さんが愛用するのが、DD Hammocks(DDハンモックス)の「DD Tarp 3×3」です。3×3mの正方形タープは張り方のバリエーションが豊富で、地面に寝るスタイルにもハンモック泊にも対応できる万能さが魅力。テントを持たずタープとハンモックだけで泊まる軽量スタイルは、ブッシュクラフトと相性抜群です。一次情報として詳しい仕様は公式(DD Hammocks 公式)で確認できます。注意点は、ハンモック泊は背中側が冷えやすく、地面に寝るより防寒対策が重要になること。下にマットを敷くなどの工夫がないと、夏でも夜は冷えて眠れません。タープ泊の自由さに憧れる人は、まず張り方の基本から覚えるのがおすすめです。
「色気」で選ぶギア哲学
阿諏訪さんのギア選びの基準は、なんと「色気」です。新品の状態が一番格好いいとは思わず、何年も使い込んで自分だけの傷や艶がついていく過程にこそ価値があると語ります。だから最新の高機能ギアより、長く付き合える道具を選ぶ。この考え方は、使い捨てが当たり前の時代へのアンチテーゼでもあります。初心者がここから学べるのは「最初から完璧な道具を揃えなくていい」ということ。安い道具でも使い込めば愛着が湧き、それが自分のスタイルになります。注意点としては、革製品や無垢の木は手入れを怠るとカビたり割れたりするので、味を出すには最低限のメンテナンスが必要だということです。
ブッシュクラフトや野営は「どこでもやっていい」わけではありません。私有地や国有林、河川敷などには必ず管理者やルールがあります。許可のない場所での野営・直火・伐採はトラブルや法令違反になるため、必ず許可された場所で行いましょう。
キャンプ芸人図鑑|まだまだいる注目のキャンパーたち
キャンプ芸人はヒロシさんや西村さんだけではありません。料理に特化した人、コンビで活動する人、最近キャンプにハマった人まで、芸風もキャンプスタイルもさまざま。ここでは焚火会の面々を中心に、まだいる注目のキャンプ芸人を紹介します。
ベアーズ島田キャンプは焚き火料理の達人
焚火会の中核メンバーでありながら、料理の腕で独自の存在感を放つのがベアーズ島田キャンプさんです。元お笑いコンビ「ムートン」で活動後、野外料理家・YouTuberとして再ブレイク。愛車のジムニーに無骨なギアを積んで各地を巡り、焚き火を使った豪快かつ手軽な料理を発信しています。著書『ベアーズ島田キャンプのゼロからはじめる焚き火料理』など料理本も複数出版しており、「キャンプ飯」というジャンルを盛り上げた立役者の一人です。初心者がベアーズさんから学べるのは、難しいレシピより「焚き火でいかに簡単においしく作るか」という発想。凝った道具がなくても、シンプルな料理から始められると教えてくれます。
じゅんいちダビッドソン・とろサーモン村田ら焚火会の面々
焚火会には個性的なキャンパーが揃っています。じゅんいちダビッドソンさんはバイク旅とキャンプを組み合わせたスタイルで、北海道ツーリングなどの企画にも参加。とろサーモン村田さん、スパローズ大和さん、ウエストランド河本さんといった面々も、それぞれのペースでキャンプを楽しんでいます。彼らに共通するのは、芸人としての本業を持ちながら、プライベートでも本気でキャンプを愛している点。だからこそ番組やYouTubeでのギア紹介や失敗談がリアルで、視聴者の共感を呼びます。注意したいのは、メンバーの参加状況は企画ごとに変わるため、「いつも全員集合」ではないこと。最新の出演情報は各番組や公式チャンネルで確認するのが確実です。
広がるキャンプ芸人とソロキャンプ文化
焚火会以外にも、キャンプを愛する芸人は年々増えています。おぎやはぎのようにファミリー・グループキャンプを楽しむ人もいれば、女性芸人でソロキャンプ番組を持つ人も登場し、キャンプ芸人の層は確実に厚くなりました。かつては「男のソロキャンプ」のイメージが強かったジャンルが、いまでは性別もスタイルも多様化しています。この広がりが、初心者にとっては「自分に近いスタイルのお手本」を見つけやすい環境を生みました。注意点としては、芸人ごとにキャンプの方向性が大きく違うこと。ガチの野営派を真似するか、ゆるいグループキャンプを真似するかで、必要な道具も予算もまったく変わってきます。
芸人発のギアやコラボにも注目
キャンプ芸人の影響力は、ギア業界にも及んでいます。ヒロシさんはオリジナルブランドの道具を企画したり、メーカーとコラボした限定ギアを生み出したりと、発信者から作り手の側にも回っています。ファンにとっては「あの人がプロデュースした道具」を手にできる楽しみがあり、これもブームを支える要素です。ただし、コラボギアや限定品は人気で入手しにくく、価格が高めになりがちなのが注意点。性能だけで見れば同等の定番ギアがもっと安く手に入ることも多いので、「憧れで買う」のか「実用で買う」のかを切り分けて検討すると、無駄な出費を防げます。
芸人スタイルを真似するなら|初心者のギア選びと予算
ここからは、キャンプ芸人のスタイルを参考にしつつ、初心者が現実的に始めるためのギア選びを具体的に解説します。憧れの道具をいきなり全部揃える必要はありません。優先順位と予算配分さえ間違えなければ、数千円からでもキャンプ芸人スタイルは始められます。
まず真似したい1本はモーラナイフかオピネル
キャンプ芸人の多くが入門者に勧める最初の1本が、モーラナイフかオピネルです。モーラナイフのコンパニオンは価格約2,800〜3,300円(税込)ながら、刃厚2.0mm(ヘビーデューティーは3.2mm)、全長約219mm、ブレード長約104mmと実用十分なスペック。バトニングからフェザースティック作りまでこなせる定番中の定番です。一方オピネルのNo.9は折りたためてクッカーに収まり、料理用に最適。理由は明確で、どちらも安く、手入れも簡単で、失敗しても懐が痛まないから。使うシーンは、モーラが焚き火作業全般、オピネルが調理という住み分けです。注意点は、カーボン鋼モデルは錆びやすいので使用後に水気を拭き取る習慣が必要なこと。これさえ守れば長く使えます。

独自比較|芸人も使う入門ナイフ3本のスペック早見表
初心者が最初に検討したい入門ナイフを、価格と特徴で比較しました(キャンプ&ナイフの教科書調べ/2026年6月時点、価格は取扱店により変動)。結論として、迷ったらモーラナイフ コンパニオンを選べば間違いありません。理由は価格・耐久性・入手しやすさのバランスが突出しているから。料理メインならオピネル、無骨な一生モノに憧れるならヘレ、と自分の優先順位で選び分けてください。
| 比較項目 | モーラナイフ コンパニオン | オピネル No.9 | ヘレ ディディガルガル |
|---|---|---|---|
| 価格帯(目安) | 約2,800〜3,300円 | 約1,800〜2,200円 | 約20,000円〜 |
| 刃の形式 | シース(固定刃) | 折りたたみ | シース(フルタング) |
| 刃厚の目安 | 2.0〜3.2mm | 約1.5mm | 約3.0mm |
| 得意な作業 | バトニング・万能 | 料理・調理 | 木工・万能 |
| 初心者おすすめ度 | ◎ | ○ | △(中級者向け) |
予算別の揃え方|3,000円以下から1万円以上まで
キャンプ芸人スタイルは予算に応じて段階的に揃えられます。【3,000円以下】まずはモーラナイフ1本と、100均の火吹き棒・着火剤でミニマムにスタート。焚き火台もダイソーの1,100円クラスで十分始められます。【5,000〜1万円】ナイフを料理用と作業用の2本体制にし、笑’sのB-6君のような定番焚き火台を追加。火吹き棒やトングも専用品にグレードアップ。【1万円以上】ここで初めてヘレのような高級ナイフや、YETIのクーラーといった「一生モノ」に手を伸ばすのが正解です。理由は、最初から高い道具を買っても、自分のスタイルが固まる前だと宝の持ち腐れになりがちだから。注意点は、安物買いの銭失いを避けるため、刃物と焚き火台だけは最低限の品質を確保することです。

形から入って続かない、よくある失敗パターン
初心者に多い失敗が「憧れの芸人と同じ高級ギアを一気に揃えたのに、数回でキャンプをやめてしまう」というパターンです。実際、ヘレのナイフやYETIのクーラーで10万円近く使ったのに、虫や寒さが苦手で続かなかった、という声は珍しくありません。原因は、自分がキャンプを楽しめるかを確かめる前に道具から入ってしまったこと。対策はシンプルで、最初は手頃なギアでデイキャンプや一泊から試し、「自分は本当にキャンプが好きか」を確認してから投資すること。キャンプ芸人たちも、最初から完璧な装備だったわけではなく、何年もかけて少しずつ道具を育ててきました。焦らず段階を踏むのが、結局いちばんの近道です。
キャンプ芸人スタイルを安全に楽しむための注意点
憧れのスタイルを真似するうえで、絶対に外せないのが安全と法令の知識です。ナイフや焚き火は使い方を誤ると、自分や周囲を危険にさらし、最悪の場合は法律違反になります。楽しい趣味を続けるためにも、ここだけはしっかり押さえておきましょう。
ナイフは銃刀法を守って持ち歩く
キャンプ芸人が当たり前に使うナイフですが、日本では刃物の携帯に法律のルールがあります。刃体の長さが6cmを超える刃物を正当な理由なく持ち歩くと銃刀法・軽犯罪法に触れる可能性があり、キャンプ用ナイフの多くがこれに該当します。結論として、ナイフは「キャンプで使う」という正当な目的があり、ケースに収めて運ぶ分には問題ありませんが、キャンプの行き帰り以外に車のダッシュボードへ入れっぱなしにしたり、街中で持ち歩いたりするのは厳禁です。詳しいルールは警察庁の解説(警察庁 公式)などの一次情報で確認しましょう。使い終わったら必ずケースに収め、自宅で保管する。この基本を守るだけで、無用なトラブルは防げます。
焚き火で芝を焦がした、という失敗を防ぐ
もう一つ多いのが焚き火にまつわる失敗です。「焚き火シートを敷かずに直接地面で焚き火をしたら、芝生を焦がしてキャンプ場の管理者に怒られた」というのは、初心者が一度はやりがちな失敗の代表格。原因は、焚き火台の下に伝わる熱を甘く見ていたことです。対策は、焚き火台の下に必ず難燃性の焚き火シート(スパッタシート)を敷くこと。これだけで地面へのダメージを大幅に減らせます。多くのキャンプ場が直火を禁止しているのも、地面の保護が理由です。焚き火台を使い、シートを敷き、消火用の水を用意する。この3点セットを徹底すれば、芝を焦がす失敗も、火事のリスクも避けられます。マナーを守ることが、結局は自分の楽しみを守ることにつながります。
逆張り視点|高い道具を揃えなくてもキャンプは楽しい
実は、意外と知られていないけれど、キャンプ芸人たちが本当に伝えたいのは「高い道具を揃えること」ではありません。ヒロシさんも阿諏訪さんも、口を揃えて言うのは「道具より、自然の中で過ごす時間そのものが価値」だということ。SNSで映える高級ギアに囲まれていなくても、100均グッズと安いナイフ1本で焚き火を眺める時間は、何万円もするギアと同じだけ豊かです。むしろ道具に縛られすぎると、「あれも欲しい、これも足りない」と本末転倒になりがち。逆張りで言えば、最小限の道具で工夫する不便さこそ、キャンプのいちばんの醍醐味かもしれません。憧れの芸人を入り口にしつつ、最後は自分なりの「ちょうどいい」を見つけることが、長く楽しむ秘訣です。
まとめ|キャンプ芸人を入り口に、自分だけのスタイルを
キャンプ芸人は、日本のソロキャンプブームを作った立役者です。ヒロシさん率いる焚火会を中心に、本気でキャンプを愛する芸人たちの発信が、道具の知識ゼロだった人々をフィールドへと導きました。彼らのスタイルや愛用ギアは、初心者が真似するうえで最高のお手本になりますが、大切なのは「憧れをそのままコピーする」のではなく「自分に合う部分だけ取り入れる」ことです。
この記事の要点を振り返ります。
・ソロキャンプブームを作ったのはヒロシ率いる「焚火会」を中心としたキャンプ芸人
・ヒロシは軽量コンパクト、西村は道具沼、阿諏訪はブッシュクラフトと個性が分かれる
・初心者の最初の1本はモーラナイフ(約2,800〜3,300円)かオピネルが鉄板
・予算は段階的に。高級ギアは自分のスタイルが固まってからでいい
・ナイフは銃刀法を守り、焚き火はシートを敷いてマナーを徹底する
・最後は道具より「自然の中で過ごす時間」を楽しむのが芸人たちの本質
最初の一歩として、まずはモーラナイフ1本と手頃な焚き火台を手に入れ、近場のキャンプ場でデイキャンプから始めてみてください。憧れの芸人がそうだったように、最初は不格好でも、回を重ねるごとに道具も技術も自分のものになっていきます。焚き火の炎を眺めながら過ごす静かな時間は、きっとあなたの新しい趣味になるはずです。さあ、お気に入りのナイフを1本手に、自分だけのキャンプスタイルを育てていきましょう。
※本記事のスペック・価格は2026年6月時点の情報です。最新の仕様・価格は各メーカーの公式サイトでご確認ください。
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