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アルコールストーブを買ったはいいけれど、クッカーを直接載せたら火が消えてしまった。あるいは、載せた瞬間にカップが傾いて中身をこぼした。アルスト五徳を探している人の多くは、この2つのどちらかでつまずいています。
結論から言うと、アルスト五徳は「重量」「高さ」「対応クッカー径」の3つで選べば失敗しません。重量はチタンの3.5gから、風防を兼ねたモデルの116gまで幅があり、価格も110円から5,720円までと開きがあります。軽ければ軽いほど良いわけではなく、載せる鍋の重さと、使う場所の風の強さで正解が変わります。
この記事では、エバニュー・トランギア・ベルモント・VARGO・ダイソーの現行モデルを、各社の公式スペックだけを使って重量順に並べます。純粋なゴトク型と風防兼用型の違い、100均で足りる場面と足りない場面、そして買ってから気づきがちな落とし穴まで、焚き火を囲んで話すつもりで順番に整理していきます。
・五徳がないとアルコールストーブの火が消えてしまう仕組みと、炎の当て方
・重量3.5g〜116gの主要モデルを公式スペックで横並び比較したデータ
・純ゴトク型と風防兼用型の使い分け、ダイソーの110円ゴトクで足りる場面
・手持ちのストーブ径・クッカー径から逆算する、買う前のチェック手順
アルスト五徳を使わないと火が消えるのはなぜか

クッカーを直接載せると炎孔が塞がれて燃焼が止まる
アルコールストーブにクッカーを直に載せると、多くの場合そこで火が消えます。理由は単純で、上面のフチに開いた炎孔(ジェット孔)を鍋底が物理的に塞いでしまうからです。エバニューのTi アルコールストーブ EBY254は径71mm・高さ42mmのボディの上段と下段の両方から炎が出る構造で、上に何かを密着させれば当然この流れが止まります。五徳は、鍋を持ち上げて炎孔と空気の通り道を確保するためのパーツだと考えてください。
使う場面はソロキャンプの朝食づくりから、テント泊登山でお湯を沸かすときまで幅広く、逆に言えば五徳がないとアルストは湯沸かし器としてすら成立しません。注意したいのは、ストーブに付属していると思い込んで買わない人が一定数いること。トランギアのトライアングルグリッドII型 TR-P302はアルコールバーナー本体が別売で、バーナーだけを買っても鍋は載せられません。ストーブと五徳は別物、と最初に覚えておくと無駄な買い直しを避けられます。
炎の一番熱い部分に鍋底を当てるのが五徳の本当の仕事
五徳は単なる台ではなく、炎と鍋底の距離を決める調整装置です。アルコールの炎は、外炎の中心付近が最も温度が高くなります。鍋底をここに合わせられれば燃料あたりの湯沸かし効率が上がり、逆に距離を取りすぎると熱が横に逃げて風にも弱くなります。距離が近すぎれば炎が鍋底からはみ出し、燃料だけを無駄に消費することになります。
だからカタログの「高さ」は地味ですが最重要スペックです。エバニューのALストーブ用チタン十字ゴトク EBY253は高さ28mm、チタンゴトク TriveTi EBY258は高さ40mmと、同じメーカーの中でも設計が違います。低い方が重心が落ちて安定し、高い方は炎を大きく育てるタイプのストーブと相性が良い、という住み分けです。デメリットは、高さが固定式のモデルでは後から微調整ができないこと。ストーブを買い替えたときに相性が崩れる可能性は頭に入れておきましょう。
純ゴトク型と風防兼用型、系統は大きく2つ
アルスト五徳は、鍋を支えるだけの「純ゴトク型」と、周囲を囲って風を防ぎつつ鍋も支える「風防兼用型」に分かれます。純ゴトク型はエバニューのT0.3 triveTi ECA623が3.5g、ベルモントの山徳 BM-607が15.6gと、いずれも10g台以下。対する風防兼用型はエバニューのアルコールストーブ用スタンドDX EBY257が52g、ベルモントのチタン テトラストーブ BM-550が本体50gと、10倍以上の重量差が出ます。
使い分けはシンプルで、樹林帯のテント泊や室内に近い環境で使うなら純ゴトク型、稜線や河原など風が読めない場所なら風防兼用型が向きます。純ゴトク型のデメリットは風にまったく無防備なこと。別途アルミの風防を持てば解決しますが、エバニューのTi9G Windshield EBY653は9gで3,080円と、風防だけで五徳より高いこともあります。トータル重量とトータル価格で比べるのが正解です。

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重量3.5gから116gまで|主要モデルのスペック早見表
公式スペックを重量順に並べると価格の意味が見えてくる
キャンプ&ナイフの教科書調べとして、各メーカー公式サイトに掲載されている数値だけを集めて重量順に並べました。二次情報の実測値は使わず、メーカーが公表している質量・サイズ・価格に統一しています。ここで注目してほしいのは、軽いモデルが安いわけでも、高いモデルが重いわけでもないという点です。
| モデル | 重量 | 素材 | タイプ | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|
| エバニュー T0.3 triveTi ECA623 | 3.5g | 純チタン | 純ゴトク | 1,760円 |
| エバニュー チタンゴトク TriveTi EBY258 | 13g | 純チタン | 純ゴトク | 1,650円 |
| ベルモント 山徳 BM-607 | 15.6g | チタニウム | 純ゴトク | 1,980円 |
| エバニュー ALストーブ用チタン十字ゴトク EBY253 | 16g | 純チタン | 純ゴトク | 1,430円 |
| ベルモント チタン テトラストーブ BM-550 | 本体50g | チタニウム | 風防兼用 | 4,070円 |
| エバニュー アルコールストーブ用スタンドDX EBY257 | 52g | 純チタン | 風防兼用 | 5,720円 |
| トランギア トライアングルグリッドII型 TR-P302 | 58g | ステンレス | 純ゴトク | 2,420円 |
| VARGO チタニウム ヘキサゴンウッドストーブ T-415 | 116g | チタン | 風防兼用 | 取扱店により変動 |
| ダイソー アルコールバーナー五徳 | 記載なし(3個入) | 鉄(亜鉛メッキ) | 純ゴトク | 110円 |
データ出典はエバニュー公式オンラインショップ、トランギア日本正規代理店イワタニ・プリムス、ベルモント オンラインショップ、ダイソーネットストアの各製品ページです。
チタン・ステンレス・鉄、素材で変わるのは重さだけではない
素材選びの結論は、担いで歩くならチタン、車移動が中心で雑に扱いたいならステンレスか鉄です。チタンは同じ強度を薄い板で出せるため、エバニューのT0.3 triveTi ECA623は厚さ0.3mmという紙のような薄さで3.5gを実現しています。一方ステンレスのトランギア トライアングルグリッドII型 TR-P302は58gありますが、肉抜き加工した3枚のプレート構造で、多少踏んでも曲がりにくい安心感があります。
使う場面で言えば、テント泊装備を1gでも削りたい登山者はチタン一択。ファミリーキャンプの補助的な調理台として使うなら、ダイソーの鉄(亜鉛メッキ)製でも役割は果たします。デメリットも正直に書くと、チタンの薄板は変形しやすく、パッキング時に他のギアに押されて曲がることがあります。鉄製は水気を残すとサビが出るので、使用後に拭き取る手間が増えます。
収納サイズは「クッカーの中に入るか」で判断する
アルスト五徳の携行性は、単体の収納サイズより「手持ちのクッカーに同居できるか」で決まります。エバニューはこの発想が徹底していて、ALストーブ用チタン十字ゴトク EBY253は組んである部分を外せばTi 570FD Cupに収納可能、チタンゴトク TriveTi EBY258はTi 400FD CupやTi 400 NHの中にTiアルコールストーブと一緒にフラットに収まる設計です。
風防兼用型でも、ベルモントのチタン テトラストーブ BM-550は使用時125×132×74mmから収納時76×132×1.6mmまで平たくなります。板状に畳めるかどうかは、ザックのパッキングでは重量以上に効いてくる要素です。注意点として、収納サイズが小さいモデルほど組み立て工程が増える傾向があり、暗い中で焚き火の脇に座って組もうとすると、細かいパーツを落として探す羽目になります。予備として110円のダイソー製を1枚忍ばせておくと、そういう夜に助かります。
10g台以下で選ぶ超軽量ゴトク3本

エバニュー T0.3 triveTi ECA623は3.5gという別次元の軽さ
とにかく軽さを突き詰めたい人の答えがこれです。幅70mm・高さ35mm・厚さ0.3mmの純チタン板2枚で構成され、質量は3.5g、価格は1,760円。エバニューによれば従来のチタンゴトクから約10gの軽量化を果たしたモデルで、同社のTi9G Windshield EBY653と組み合わせても合計13g弱に収まります。
| 商品名 | T0.3 triveTi ECA623 |
| メーカー | エバニュー |
| 価格 | 1,760円(税込) |
| 重量 | 3.5g |
| サイズ | 幅70mm×高さ35mm×厚さ0.3mm |
| 素材・特徴 | 純チタン(国内製造)/日本製 |
向いているのは、テント泊縦走やファストパッキングでグラム単位の削減を積み上げている人です。逆に注意したいのは接地面積の狭さで、厚さ0.3mmの板に大きなクッカーを載せる使い方は想定されていません。載せるのはシェラカップや400ml前後の小型カップまで、と割り切って使うのが安全です。
ザックの重さを1gでも削りたいなら、厚さ0.3mm・3.5gのチタン板ゴトクを▼
エバニュー チタンゴトク TriveTi EBY258は13gで日常使いのバランス型
軽さと実用性のちょうど中間を狙うならこちらです。長さ81mm・高さ40mm・厚さ1mmで質量13g、価格は1,650円と、上位のECA623より安いのが面白いところ。厚さが1mmある分、板がしなりにくく、載せられるクッカーの許容範囲が広がります。
Ti 400FD CupやTi 400 NHの中にTiアルコールストーブと一緒にフラットに収納できるので、カップ1個にストーブとゴトクが全部収まる小さな調理セットが組めます。固形燃料やジェル燃料のゴトクとしても単体で使えるため、アルストを持たないコンビニ飯派のソロキャンプでも出番があります。デメリットは高さ40mmという設計が、炎の短いストーブだと少し遠くなること。手持ちのストーブの炎の高さを一度確認してから買うと確実です。
ベルモント 山徳 BM-607は15.6gで幅を切り替えられる3枚組
新潟・燕三条のベルモントが出したチタン五徳で、5.2gのパーツ3枚組、合計15.6gで1,980円。約W18×D28×H40mmという小ささながら、アルコールストーブの縁だけでなくシェラカップの縁にも引っかけて使えるのが特徴です。載せるカップのサイズに応じて五徳の幅を切り替えられるので、シェラカップとメスティンを1セットで兼用できます。
3枚をスタッキングして収納でき、単品なら簡易的なリフター(熱い器を掴む道具)としても機能します。ソロキャンプでシェラカップ1個をとことん使い回すスタイルの人と相性が良いギアです。注意点は、引っかけて使う構造上、載せる器の縁の形状によっては噛み合わせが安定しないこと。手持ちのカップで一度、火をつけない状態で載せ具合を確かめてから山に持ち出しましょう。
超軽量ゴトクに水を張った大きめのクッカーを載せ、蓋を開けようとした瞬間に重心が動いて傾く——これがいちばん多い事故です。原因は、接地する3点(または4点)の間隔より鍋底の径が大きすぎること。対策は単純で、購入前に手持ちのクッカーの底径を測り、五徳の対応幅より小さいものだけを載せること。大きな鍋を使う日は、素直に低重心タイプか風防兼用型に持ち替えてください。

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大きめのクッカーを載せるなら安定志向のモデルを
エバニュー ALストーブ用チタン十字ゴトク EBY253は低重心設計の定番
安定感を優先するならこの1本です。長さ96mm・高さ28mm・厚さ1mmで質量16g、価格1,430円。エバニュー自身が「低重心で安定性を重視したゴトク」と説明している通り、高さを28mmに抑えて重心を落としているのが設計思想です。十字に組む構造なので、載せた鍋は4方向で支えられます。
組んである部分を外せばコンパクトになり、Ti 570FD Cupに収納可能。ソロキャンプでラーメンを作る、レトルトを温めるといった水の入った鍋を扱う場面で安心感があります。デメリットは高さ28mmが固定であること。炎が大きく立ち上がるタイプのストーブでは炎が鍋底からはみ出しやすく、燃料の消費が増える可能性があります。使うストーブの炎の高さと合わせて選ぶ、という原則はここでも変わりません。
トランギア トライアングルグリッドII型 TR-P302はステンレスの安心感
トランギア アルコールバーナー TR-B25を使っているなら、まず候補に挙がる純正ゴトクです。肉抜き加工で軽量化した3枚のステンレスプレートを組み合わせる構造で、重量58g、価格2,420円、収納ケース付きの日本製。TR-B25はØ7.5×4.2cmで110g、タンク2/3の注入量(約70ml)で約25分間燃焼するバーナーなので、長めの煮込みにも耐える組み合わせになります。
チタン勢と比べれば重いものの、ステンレスは踏んでも曲がりにくく、焚き火の熱で歪む心配も少ない素材です。車で行くキャンプ場やツーリングでの使用、あるいは家族の朝食用に大きめのケトルを載せる場面では、この重さがそのまま安心料になります。注意点は、バーナー本体が別売であること。TR-B25は3,630円なので、セットで揃えると価格はそれなりになります。
ベルモント チタンテトラストーブ グリルセット BM-548は耐荷重約1kgを明示
耐荷重が公式に書かれている数少ないモデルです。本体50g+グリル15g+ケース3g、使用時125×132×74mm、収納時76×132×9mm、耐荷重約1kgで4,620円。ステンレスのグリルを追加することで、シングルマグや径の小さいクッカーも置けるようになり、食材を焼いたり温めたりする簡単な調理までカバーします。
設計上うまいのは、グリルの引っかけ部分がテトラ本体の開き防止ストッパーを兼ねている点です。風防兼用型は炎で熱せられると開きぐせが出ることがありますが、そこを構造で押さえています。焼き物までやりたいソロキャンパー向け。デメリットは、耐荷重約1kgという数字がそのまま上限になること。水を満タンに入れた大型ケトルは載せられないので、湯量は控えめに使う前提で選んでください。
| 安定志向モデルのメリット | デメリット |
|---|---|
| 水の入った鍋を載せても傾きにくい 接地点が多く、鍋底の径を選ばない ステンレス製は変形やサビに強い 耐荷重が公表されているモデルもある | 超軽量型と比べて重量が10倍以上になる場合がある 収納時の面積が大きくカップに入らないことがある 純正ゴトクはバーナー本体が別売で総額が上がる 高さ固定式はストーブを替えると相性が崩れる |
風防を兼ねるタイプは燃焼そのものが変わる
エバニュー アルコールストーブ用スタンドDX EBY257は上昇気流で効率を上げる
風防兼用型の考え方がよくわかるのがこのモデルです。上部スタンドが径82mm・高さ60mm、下部スタンドが径80mm・高さ50mm、質量52gの純チタン製で5,720円。エバニューは「スタンドは風を遮るだけではなく上昇気流によって燃焼効率を向上させる」と説明しており、囲うことでドラフト(煙突効果)を作り出す設計です。
下部スタンドにパワープレートをセットすれば、アルコールストーブだけでなく固形燃料や小枝も燃やせます。1つの道具で燃料を選ばずに済むので、アルコール燃料が手に入らない遠征でも調理手段が残るのは大きな利点です。なお本体のTi アルコールストーブ EBY254とのセット品、アルコールストーブスタンドDXセット EBY255(質量86g・10,560円)も用意されています。デメリットは価格で、五徳単体としては高価な部類に入ります。
ベルモント チタン テトラストーブ BM-550は50gで畳める風防
風防兼用型でありながら板状に畳めるのが強みです。本体50g・ケース3g、使用時125×132×74mm、収納時76×132×1.6mm、価格4,070円。タイベック製の収納ケースが付き、収納時の厚みが1.6mmまで潰れるので、クッカーの隙間やザックの背面ポケットに差し込めます。
小さめのカップでもそのまま載せられる形状で、炎を安定させる煙突効果を生む構造。河原や海辺のようにいつ風が吹くかわからない場所で、風防と五徳を別々に持ちたくない人に向いています。注意点として、囲うタイプは輻射熱がストーブ本体に戻るため、アルコールの気化が進んで燃焼が強くなる傾向があります。燃料を入れすぎると想定より炎が大きくなるので、最初は少なめの燃料で炎の育ち方を確かめてください。
VARGO チタニウム ヘキサゴンウッドストーブ T-415は薪も焚ける多用途型
五徳・風防・焚き火台を1つでこなす変わり種です。重量116g(ステンレス版は210g)、上部径76mm・底部径127mm・高さ101mmの折り畳み式で、収納ケース付き。落葉や枝を燃料にできるネイチャーストーブでありながら、中にアルコールストーブを置けば風防兼五徳として機能します。
燃料を現地調達できるので、長期の旅やツーリングで燃料切れの不安を減らせるのが利点です。メーカーは1.5Lより大きい鍋の使用を推奨していないため、載せるのはソロ用クッカーまで。日本国内の価格は取扱店によって差があるため、購入前にVARGO公式サイトで仕様を確認したうえで、正規取扱店の価格を比べるのが確実です。デメリットは、薪を焚けば当然すすが付くこと。他のギアと一緒に収納するならケースは必須です。
風を防ごうとしてアルミ風防をストーブにぴったり巻きつけ、かえって火が弱くなる、あるいは途中で消える——という失敗もよくあります。原因は、燃焼に必要な空気の入口まで塞いでしまったこと。アルコールストーブは下から空気を吸い上げて燃えるため、地面との間にすき間が要ります。対策は、風防と五徳が一体設計になっているモデルを選ぶか、自作の風防なら下端を数cm浮かせて空気の通り道を残すこと。エバニューやベルモントの兼用型は、この空気の流れを計算した形状になっています。
110円のダイソー製は本当に使えるのか
アルコールバーナー五徳は3個入り・耐荷重約2kgでコスパが突き抜けている
最初の1枚として真っ先に試す価値があるのがこれです。ダイソーネットストアによれば、商品サイズ15.5cm×7cm×0.1cm、内容量3個入、材質は鉄(亜鉛メッキ)、耐荷重量は約2kgで110円。チタン製の高級ゴトクが公表していない耐荷重を、110円の商品が明記しているのは面白いところです。
組み立て方は、大きく使う場合は外側のスリット同士、小さく使う場合は内側のスリット同士を差し込んで固定する2段階調節式。アルコールバーナーの上に被せるように設置し、火をつけていない状態でセットするのが公式の使い方です。ソロキャンプの入門段階や、子どもと一緒に固形燃料でご飯を炊く場面で十分に働きます。デメリットは鉄製ゆえの重さとサビで、濡れたまま放置すると赤サビが出ます。使用後は乾かしてから収納してください。
燃料用五徳は1個入り・6cm×11cmでメスティンに収まる
後から登場したコンパクト版がこちらです。商品サイズ6cm×0.1cm×11cm、内容量1個入、材質は鉄(亜鉛メッキ)で110円。アルコールバーナーにも固形燃料にも使え、平たいので収納の邪魔になりません。メスティンの中にストーブと一緒に放り込んでおける手軽さが持ち味です。
使い方の主役は固形燃料での自動炊飯でしょう。メスティン+固形燃料+この五徳で、火をつけて放っておくだけの炊飯セットが330円ほどで完成します。ソロキャンプの1食目を安く軽く済ませたい人、あるいは職場の昼休みにミニ調理を楽しむ人にも向きます。注意点は、サイズが小さいぶん載せられる器も小さくなること。大きめのフライパンや水を満タンにしたケトルには不向きです。
意外と知られていませんが、アルスト五徳は軽ければ軽いほど良いわけではありません。3.5gのチタン板は風でずれますし、置き場所が少し傾いているだけで鍋が滑ります。58gのステンレスや、110円の鉄板ゴトクは自重があるぶん設置が安定し、初心者ほど扱いやすいのが実際のところ。まずは110円のダイソー製で「自分がどんな器を、どんな場所で使うのか」を把握し、そのうえで軽量化に投資する順番がおすすめです。ULゴトクは、装備全体を削り込む段階になってから効いてきます。
100均ゴトクを卒業するのはこのタイミング
ダイソー製から買い替えるべきサインは3つあります。1つ目は、ザックに入れて歩く回数が増えたとき。鉄製の重さと厚みは、担ぐ道具としては効率が悪くなります。2つ目は、使うクッカーが大きくなったとき。耐荷重量約2kgを超える鍋を扱うなら、より接地面積の広いモデルへ移るべきです。3つ目は、風の強い場所で使うようになったとき。純ゴトク型で風に負けるなら、風防兼用型が答えになります。
逆に言えば、この3つに当てはまらないうちは110円で十分です。エバニューのT0.3 triveTi ECA623は1,760円、ベルモントの山徳 BM-607は1,980円と、価格差は10倍以上あります。その差額に見合う体験が得られるかどうかは、使い方次第です。デメリットとして、100均のゴトクは同じ商品が長期間並ぶとは限らず、店頭在庫が切れると再入荷まで時間がかかることがあります。気に入ったら複数枚まとめて確保しておくと安心です。

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買う前に必ず確認したい3つのチェックポイント
ストーブ径とクッカー底径を測ってから選ぶ
買い物の失敗をほぼ防げる手順が、この採寸です。まず手持ちのアルコールストーブの外径を測ります。エバニューのTi アルコールストーブ EBY254なら径71mm、トランギアのアルコールバーナー TR-B25ならØ7.5cmです。次に、いつも使うクッカーの底径を測ります。五徳はこの2つの数字の間に収まる必要があり、ストーブより小さければ載りませんし、クッカーより極端に狭ければ傾きます。
ULハイク中心ならECA623のような小型、ソロキャンプで水の入った鍋も使うならEBY253のような十字型、家族の朝食まで見るならトライアングルグリッドII型 TR-P302という選び分けになります。注意点は、通販の商品写真だけでは寸法感がつかめないこと。各メーカーの製品ページには質量とサイズが必ず載っているので、購入ボタンを押す前に数字で確認する習慣をつけてください。
燃料用アルコールは危険物、扱い方を先に覚える
五徳の話に見えて、実は燃料の管理が安全性を左右します。東京消防庁によれば、アルコール類は消防法の危険物として規制を受け、蒸発しやすく可燃性で引火の危険がある物質です。可燃性の蒸気は空気より重く、低い場所に滞留しやすい性質があります。
実務上のポイントは3つ。火気の使用を避けること、詰め替えは風通しの良い場所で換気しながら行うこと、直射日光の当たる場所を避けて保管することです。テント内での燃料の詰め替えは、蒸気が床に溜まるため特に危険です。廃棄する際は自治体の分別ルールに従ってください。五徳を組んだ状態で燃料を注ぐと、こぼれた燃料に引火したときに手を引き抜けなくなります。給油は必ず火を消し、ストーブが冷めてから、五徳を外した状態で行いましょう。
シェラカップ・メスティン別の相性を押さえる
器の形で最適な五徳は変わります。シェラカップのように口が広く底が浅い器は、縁に引っかけるベルモントの山徳 BM-607や、幅の狭いECA623でも安定します。メスティンのような角形は接地が4点になるため、十字型のEBY253や、鉄板を組むダイソーのアルコールバーナー五徳が扱いやすい形です。丸型のケトルや水を張った鍋は、耐荷重約1kgを公表しているベルモント チタンテトラストーブ グリルセット BM-548のように、支持面が広いモデルを選びます。
シーン別に整理すると、UL登山=ECA623+Ti9G Windshield EBY653、ソロキャンプの汎用=EBY253またはEBY258、風の強い場所=スタンドDX EBY257やテトラストーブ BM-550、入門と予備=ダイソーの110円ゴトク、という住み分けになります。デメリットを挙げるなら、複数を使い分けると結局どれも中途半端に使うことになりがちなこと。まずは自分のいちばん多い調理パターンに合わせて1枚を選び、そこから足していくのが遠回りに見えて近道です。
まとめ
アルスト五徳選びは、結局のところ「自分がどこで、何を、どれだけ煮るのか」に行き着きます。稜線でお湯を沸かすだけならエバニューのT0.3 triveTi ECA623の3.5gが最適解ですし、河原で家族の朝食を作るならトランギアのトライアングルグリッドII型 TR-P302の58gが安心です。風の強い場所が多いならスタンドDX EBY257やベルモントのチタン テトラストーブ BM-550のような兼用型、まず試したいだけならダイソーの110円ゴトクで何も問題ありません。最初の一歩としては、手持ちのストーブの外径といつも使うクッカーの底径をメジャーで測ることから始めてください。この2つの数字が決まれば、候補は自然と2〜3個に絞られます。
※価格・仕様は各メーカーの公式サイト掲載情報をもとにしています。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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