「キャンプでお湯を沸かしたり、ちょっとした料理をしたい。でもガスバーナーって種類が多すぎて、どれを選べばいいのか分からない」——焚き火を囲んでいると、初心者キャンパーから一番よく聞かれる悩みがこれです。CB缶とOD缶の違い、発熱量の数字、重量、価格。比べる軸が多くて、最初の1台でつまずく人が本当に多いんです。
結論から言うと、選び方はシンプルです。普段使いとコスパならコンビニでも買えるCB缶モデル、軽さと寒さへの強さを取るならOD缶モデル。この2軸さえ押さえれば、あとは発熱量と重量で自分のスタイルに合う1台が見えてきます。
この記事では、SOTO・イワタニ・プリムス・スノーピーク・EPIgasの定番ガスバーナー8機種を、重量60g台から1.6kgまで、発熱量・実売価格つきで横並びに比較します。CB缶とOD缶の選び方、ソロ・ファミリー・登山それぞれに合うモデル、長く安全に使うコツまで、仲間に教えるつもりで全部お話しします。
・ガスバーナー選びで失敗しないための3つの軸
・CB缶とOD缶の違いと、あなたに合うのはどっちか
・定番ガスバーナーおすすめ8選の発熱量・重量・価格の徹底比較
・ソロ/ファミリー/登山シーン別の選び方と、長く安全に使うコツ
ガスバーナー選びで失敗しないための3つの軸

ガスバーナーは星の数ほどありますが、見るべきポイントは「燃料」「発熱量」「重量」の3つに絞れます。この3軸を頭に入れておくと、スペック表を見たときに自分に必要な数字がパッと判断できるようになります。まずはここを押さえましょう。
まず決めるのは「燃料がCB缶かOD缶か」
最初に決めるべきは燃料の種類です。ガスバーナーは大きく分けて、家庭用カセットコンロと同じCB缶(カセットボンベ)を使うタイプと、アウトドア専用のOD缶を使うタイプの2つに分かれます。CB缶はコンビニやスーパー、100均でも手に入り、1本100〜300円程度と安いのが魅力。OD缶は専用品で1本400〜700円程度と高めですが、寒さに強く出力が安定します。ソロでデイキャンプや街中のベランダ飯がメインならCB缶、登山や冬キャンプ、軽量装備を組みたいならOD缶を選ぶのが基本です。注意点として、CB缶とOD缶は互換性がなく、本体ごとに使える缶が決まっているので、買ってから「缶が合わない」とならないよう必ず確認してください。
発熱量は2,000〜4,200kcal/hが目安、用途で選ぶ
発熱量(火力)は、お湯を沸かす速さや料理のしやすさに直結します。キャンプ用ガスバーナーの発熱量は、おおむね2,000kcal/h(2.3kW)から4,200kcal/h(4.9kW)の範囲に収まります。お湯を沸かしてコーヒーやカップ麺がメインなら2,300kcal/h前後で十分。フライパンで焼き物をしたり、複数人ぶんを手早く作りたいなら3,000kcal/h以上が快適です。今回紹介するなかでは、プリムスP-153が3,600kcal/h、EPIgas REVO-3700が最高4,200kcal/hとハイパワー。逆にスノーピークHOME&CAMPは2,100kcal/hと控えめですが、弱火の安定感が高く家庭料理向きです。火力が高いほどガス消費も早いので、燃費とのバランスで選びましょう。
重量は60g台〜1.6kg、持ち運び方で変わる
重量は、どうやってキャンプ場まで運ぶかで重視度が変わります。バックパックを背負う登山やソロキャンプなら、本体60〜120g台の折りたたみ式シングルバーナーが正解。プリムスP-153は約116g、SOTOウインドマスターは本体約60gと、手のひらに乗る軽さです。一方、車に積んで運ぶオートキャンプなら重量は気にしなくてよく、安定感のある一体型のほうが使いやすい。スノーピークHOME&CAMPは1.4kg、イワタニ タフまるJr.は約1.6kgと重いですが、その分どっしりして大きな鍋も載せられます。「軽さ」と「安定感」はトレードオフだと覚えておくと、迷いが減ります。
発熱量の「kcal/h」と「kW」は同じものを別の単位で書いているだけです。1kW=約860kcal/hなので、2.3kW=約2,000kcal/h。スペック表でどちらか片方しか書いていなくても、これで換算できます。
CB缶とOD缶、結局どっちを選ぶべき?
選び方の3軸のなかでも、最初の関門が「CB缶かOD缶か」です。ここを間違えると缶を買い直すことになるので、それぞれの長所と短所をしっかり比べておきましょう。価格・入手性・寒さへの強さの3点で見ていきます。
| CB缶のメリット | OD缶のメリット |
|---|---|
| コンビニ・スーパー・100均で買える 1本100〜300円程度と安い 家庭用カセットコンロと共用できる |
寒さに強く冬でも火力が落ちにくい 缶が小さく軽量・コンパクト 本体が小型で登山向き |
コスパと入手性で選ぶならCB缶
とにかく安く手軽に始めたいならCB缶一択です。CB缶は1本100〜300円程度で、コンビニやスーパー、ダイソーなどでも買えるため、現地調達も簡単。家のカセットコンロと缶を共用できるので、防災備蓄を兼ねられるのも大きな利点です。今回のラインナップではSOTO ST-310、イワタニ CB-JCB、スノーピークHOME&CAMP、タフまるJr.がCB缶タイプ。デイキャンプやファミリーBBQ、ベランダ飯など、寒冷地以外で使うなら火力も実用十分です。注意点は、缶のサイズがOD缶より大きくかさばること、そして気温が10℃を下回ると火力が落ちやすいこと。真冬の使用がメインなら、後述のパワーガスタイプを選ぶ必要があります。

冬キャンプ・登山ならOD缶が安心
寒い季節や標高の高い場所で使うならOD缶が安心です。OD缶はアウトドア専用に作られていて、ブタンにプロパンやイソブタンを混ぜた配合のため、低温でも内圧が下がりにくく火力が安定します。缶自体も小ぶりで軽く、本体も折りたためる小型モデルが多いので、バックパックに収めやすいのもメリット。今回ならSOTOウインドマスター、プリムスP-153、EPIgas REVO-3700、SOTOアミカスがOD缶タイプです。デメリットは、缶1本400〜700円程度とランニングコストが高く、扱う店もアウトドアショップや大型ホームセンターに限られること。冬の主力にしつつ、夏場はCB缶機と使い分けるキャンパーも多いです。
失敗例:真冬にノーマルCB缶を使って火力が出なかった
よくある失敗が、真冬にノーマルのCB缶を使って「火が弱くてお湯が沸かない」というトラブルです。CB缶の主成分ブタンは、気温が0℃前後になると気化しにくくなり、缶が冷えると一気に火力が落ちます。原因は缶内の圧力低下なので、根性では解決しません。対策は2つ。1つは寒冷地向けの「パワーガス(プレミアムガス)」と書かれたCB缶を選ぶこと。イソブタンやプロパンが配合され、低温に強くなっています。もう1つは、そもそも冬はOD缶モデルを使うこと。CB缶を使う場合も、缶をポケットやインナーで温めておく、地面に直置きしないといった工夫で大きく改善します。冬キャンプデビュー前に必ず知っておきたいポイントです。
おすすめガスバーナーCB缶部門4選を発熱量・重量で比較

ここからは具体的なモデルを紹介します。まずは手軽さで人気のCB缶タイプから4機種。価格・重量・発熱量はメーカー公表値と各販売店の実売価格をもとにしています(2026年6月時点)。スペックは公式サイトでも確認できます。
SOTO レギュレーターストーブ ST-310|CB缶の大定番
| 商品名 | レギュレーターストーブ ST-310 |
| メーカー | SOTO(新富士バーナー) |
| 実売価格 | 約6,300〜7,000円 |
| 重量 | 330g |
| 発熱量 | 2.9kW(2,500kcal/h) |
| 燃料・素材 | CB缶/バーナー部ステンレス |
CB缶シングルバーナーで迷ったら、まずこれを見ておけば間違いないのがSOTO ST-310です。最大の特徴はマイクロレギュレーター搭載で、連続使用してもガスが安定し、寒さにも比較的強いこと。発熱量2.9kW(2,500kcal/h)と火力も十分で、実売6,300円前後と手を出しやすい価格も人気の理由です。横長のロースタイルなので重心が低く、ソロ用のクッカーから小型フライパンまで安定して載せられます。カスタムパーツが豊富で、自分好みに育てられるのもファンが多い点。デメリットは、ゴトクが熱で広がる「ヒートパネル」効果でガス缶が温まりすぎる場合があるため、遮熱板(別売)を併用すると安心です。ソロ〜デュオキャンプの主力として、最初の1台に強くおすすめできます。
イワタニ ジュニアコンパクトバーナー CB-JCB|3,000円台の入門機
予算を抑えて始めたいなら、イワタニのジュニアコンパクトバーナーが定番です。実売3,780円前後とこの記事で最安クラスながら、最大発熱量2.7kW(2,300kcal/h)としっかり実用的。重量は約274gで、収納時は82×68×109mmと手のひらサイズに畳めます。本体アルミ、バーナーやゴトクはステンレスと、価格のわりに作りも堅実です。家庭用カセットガスがそのまま使えるので、ランニングコストも安く、防災用としても優秀。ソロのお湯沸かしや簡単な調理にぴったりです。注意点は、ゴトクの径が小さめなので大きなフライパンには不向きなこと、そして風にやや弱いこと。風が強い日は後述の風防つきモデルか、別途ウインドスクリーンを使うと安定します。とにかくコスパ重視の入門者に最適な1台です。
イワタニ カセットフー タフまるJr.|風に強い一体型
| 商品名 | カセットフー タフまるJr. CB-ODX-JR |
| メーカー | イワタニ(岩谷産業) |
| 実売価格 | 約6,580円 |
| 重量 | 約1.6kg(本体) |
| 発熱量 | 最大2.3kW(2,000kcal/h) |
| 燃料・特徴 | CB缶/ダブル風防・耐荷重10kg |
屋外でも風を気にせず使いたいなら、イワタニのタフまるJr.が頼れます。ダブル風防ユニットを搭載し、風が吹いても炎が流れにくく、火力をしっかり鍋に届けます。耐荷重10kgでダッチオーブンやスキレットも載せられ、ソロ〜2人のしっかりした調理に向いた一体型カセットコンロです。重量は約1.6kgと重く折りたためませんが、その分どっしり安定。車載のオートキャンプなら重さは気になりません。専用ケース付きモデルもあり、持ち運びと収納がしやすいのも魅力です。デメリットは発熱量2,000kcal/hと数字上は控えめなこと。ただし風防のおかげで実使用での効率は良く、体感の火力不足は感じにくい設計です。風の強いフィールドが多い人や、煮込み料理を楽しみたい人におすすめします。
スノーピーク HOME&CAMP バーナー|折りたたみで持ち運ぶ家庭料理機
デザインと使い勝手を両立したいならスノーピークのHOME&CAMPバーナーです。脚とゴトクを本体に巻き込むように折りたためる独自構造で、収納時は90×120×255mmのコンパクトな筒状になります。最小Φ14cm〜最大Φ30cmまで対応し、大きめのフライパンや鍋も安定して使えるのが強み。出力は2,100kcal/hと控えめですが、弱火が安定するので家庭料理のような繊細な火加減が得意です。実売価格は約9,930円〜と今回のなかでは高めの部類。重量も1.4kgあるので、軽量装備を狙う人には不向きです。一方で、自宅でもキャンプでも違和感なく使えるデザイン性は唯一無二。おしゃれなテーブル回りを作りたいファミリーやデュオキャンパーに刺さる1台です。
軽さで選ぶOD缶ガスバーナー4選
続いて、軽量・コンパクトで登山やソロにも向くOD缶タイプを4機種。本体60g台から、ハイパワーモデルまで揃えました。寒さへの強さも踏まえて選んでみてください。スペックは各メーカー公式の公表値です。
SOTO ウインドマスター SOD-310|風にめっぽう強い軽量機
| 商品名 | マイクロレギュレーターストーブ ウインドマスター SOD-310 |
| メーカー | SOTO(新富士バーナー) |
| 重量 | 約60g(本体)/87g(4本ゴトク時) |
| 発熱量 | 3.3kW(2,800kcal/h) |
| サイズ(収納時) | 45×50×85mm |
| 燃料・特徴 | OD缶/すり鉢状ヘッドで耐風性◎ |
軽さと風への強さを両立した名機がSOTOウインドマスターです。本体約60gと驚異的に軽いのに、バーナーヘッドをすり鉢状にした独自設計で、風が吹いても炎が消えにくく火力が落ちにくい。マイクロレギュレーター搭載で低温時の安定感も高く、3.3kW(2,800kcal/h)と火力も十分です。ゴトクは着脱式で、軽さ重視の3本ゴトクと安定重視の4本ゴトクを選べます。登山やUL(ウルトラライト)キャンプ、ソロの軽量装備を組みたい人に最適。デメリットは、ゴトクを本体に都度装着する手間と、小さなパーツの紛失リスク。とはいえ、風の影響を受けやすいフィールドで一度使うと手放せなくなる完成度です。OD缶の軽量機で迷ったら筆頭候補に。

プリムス P-153 ウルトラバーナー|ハイパワーの王道
火力と信頼性を最優先するなら、プリムスのP-153ウルトラバーナーが王道です。重量約116gと軽量ながら、発熱量4.2kW(3,600kcal/h)とこのクラス屈指のハイパワー。安定感の高い4本ゴトクで、登山からファミリーの調理まで幅広くこなします。実売価格は8,800円とやや高めですが、堅牢な作りと長年の実績で「一生モノ」として選ぶ人も多い1本です。垂直配置の点火装置もスマートで、収納時は7.5×8.8×3.0cmとコンパクトに畳めます。デメリットは、ハイパワーゆえにガス消費が早めなこと(245g/h)と、価格の高さ。ただ、火力に余裕があると寒い朝でもストレスなくお湯が沸かせるので、長く使うほど満足度が高まります。登山もキャンプも1台でこなしたい欲張りな人におすすめです。
EPIgas REVO-3700|日本製の高出力モデル
最高クラスの火力を求めるなら、EPIgasのREVO-3700が候補です。重量111gと軽量ながら、230Rカートリッジ使用時で3,700kcal/h、パワーカートリッジ使用時は最高4,200kcal/hと今回トップの発熱量を誇ります。バーナーヘッドに焼結金属「S.F.P.M.」を採用し、炎が広がりやすく鍋全体を効率よく加熱できるのが特徴。埼玉県川口市で作られる日本製で、品質の安定感も魅力です。実売価格は9,500円前後(税抜)とハイエンド。デメリットは、ハイパワーゆえにガス消費が308g/hと多めで、燃費はやや劣ること。とはいえ、寒い時期でも一気にお湯を沸かしたい、大人数ぶんを手早く調理したいという用途では頼もしい存在です。火力にこだわる中〜上級者に向いた1台です。
SOTO アミカス SOD-320|コスパで選ぶ軽量OD缶機
OD缶モデルを安く手に入れたいなら、SOTOのアミカスが狙い目です。本体重量81gと軽量で、発熱量3.0kW(2,600kcal/h)と実用十分。実売4,000円台とOD缶バーナーのなかでは破格で、これからアウトドアバーナーを始める人の入門機として人気です。ウインドマスター譲りのすり鉢状バーナーヘッドで、価格のわりに耐風性も悪くありません。収納時は40×43×75mmと手のひらに収まり、ソロやライトな登山に十分対応します。デメリットは、ウインドマスターと比べると最大火力や安定感でわずかに劣る点。とはいえ、価格差を考えれば納得の性能で、「まず軽量OD缶機を試してみたい」という人に最適なコスパモデルです。
シーン別・予算別に見るおすすめの選び方
ここまでの8機種を、使うシーンと予算で整理してみましょう。下の比較表は今回紹介した全モデルの主要スペックをまとめたものです。自分の使い方に近いところから逆引きで選ぶと、最短で正解にたどり着けます。
| モデル | 燃料 | 重量 | 発熱量 | 実売価格 |
|---|---|---|---|---|
| SOTO ST-310 | CB缶 | 330g | 2,500kcal/h | 約6,300円〜 |
| イワタニ CB-JCB | CB缶 | 約274g | 2,300kcal/h | 約3,780円 |
| タフまるJr. | CB缶 | 約1.6kg | 2,000kcal/h | 約6,580円 |
| HOME&CAMP | CB缶 | 1.4kg | 2,100kcal/h | 約9,930円〜 |
| ウインドマスター | OD缶 | 約60g | 2,800kcal/h | 約7,000円〜 |
| プリムス P-153 | OD缶 | 約116g | 3,600kcal/h | 約8,800円 |
| EPIgas REVO-3700 | OD缶 | 111g | 3,700kcal/h | 約9,500円〜 |
| SOTO アミカス | OD缶 | 81g | 2,600kcal/h | 約4,000円台 |
※価格・スペックはメーカー公表値および各販売店の実売価格をもとにした比較です(キャンプ&ナイフの教科書調べ・2026年6月時点)。最新の価格は各公式サイト・販売店でご確認ください。
ソロ・ULキャンプなら軽量OD缶機が正解
バックパックひとつで動くソロやULキャンプなら、本体60〜120g台の軽量OD缶機が正解です。具体的にはSOTOウインドマスター(約60g)、SOTOアミカス(81g)、EPIgas REVO-3700(111g)、プリムスP-153(約116g)の4機種。いずれも収納すれば手のひらサイズで、クッカーのなかにOD缶ごと収まります。なかでもコスパならアミカス、風への強さならウインドマスター、火力ならP-153かREVO-3700と、優先順位で選び分けましょう。注意点は、軽量機はゴトクが小さめなので、直径の大きいフライパンは安定しにくいこと。ソロ用クッカーやシェラカップ中心の運用と相性が良いです。
ファミリー・オートキャンプは安定感重視で
車で運ぶファミリーやオートキャンプなら、重さより安定感を優先しましょう。おすすめはイワタニ タフまるJr.(約1.6kg)やスノーピークHOME&CAMP(1.4kg)の一体型。どっしりした作りで大きな鍋やダッチオーブンも安定し、子どもがいても倒れにくいのが安心です。タフまるJr.は風防が強力で、HOME&CAMPは弱火の繊細さとデザイン性が魅力。予算1万円前後を見ておくと選択肢が広がります。注意点は、これらは折りたためても重く大きいので、徒歩移動やバイクツーリングには不向きなこと。あくまで「車載前提」のチョイスだと考えてください。
予算3,000〜5,000円で始めるなら入門2機種
はじめての1台で予算を抑えたいなら、3,000〜5,000円台の2機種から選ぶのが堅実です。CB缶ならイワタニ CB-JCB(約3,780円)、OD缶ならSOTOアミカス(約4,000円台)。どちらも実用十分な火力と軽さを備え、入門機として失敗しません。コンビニでガスを補充したいならCB-JCB、将来的に冬キャンプや登山も視野に入れるならアミカスがおすすめです。注意点として、安価な無名ブランドの激安バーナーは、ゴトクの安定性や火力調整に難があることがあるので、最初の1台は実績のある国内ブランドを選んだほうが結果的に長く使えます。
意外と知らない、ガスバーナーを使いこなすコツ
ガスバーナーは買って終わりではありません。ちょっとした使い方や手入れの差で、安全性も寿命も大きく変わります。ここでは長く快適に使うためのコツと、見落としがちな注意点をお話しします。
テント内や車内など密閉された空間でのガスバーナー使用は、一酸化炭素中毒の危険があり絶対に避けてください。調理は屋外または十分に換気できる場所で行いましょう。ガス缶は直射日光の当たる車内や火のそばに放置せず、高温になる場所での保管も厳禁です。
実は重要、ゴトクのサイズと鍋のバランス
意外と見落とされがちですが、ゴトクと鍋のサイズバランスは安全性に直結します。軽量シングルバーナーは本体が小さくゴトク径も小さいため、直径の大きいフライパンや重い鍋を載せると、重心が高くなって転倒しやすくなります。結論として、軽量機にはソロ用クッカー(直径12〜16cm程度)を合わせるのが鉄則。大きな調理をしたいなら、最初から一体型や4本ゴトクのモデルを選びましょう。テーブルの上で使うときも、ガタつかない平らな場所を選ぶのが基本です。「火がついた状態で鍋がぐらつく」のは事故のもとなので、設置時に必ず安定を確認する習慣をつけてください。
失敗例:ゴトクに重い鍋を載せて倒し、お湯をこぼした
もうひとつのよくある失敗が、小型バーナーに重い鍋を載せて倒してしまうケースです。「軽くてコンパクトだから」と本体60g台のバーナーに満水の大鍋を載せ、沸騰したお湯ごとひっくり返す——これは火傷にもつながる危険な事故です。原因は、ゴトクの設置面積に対して鍋が大きすぎ、重心が上がってしまうこと。対策は3つ。①バーナーの容量に見合った鍋を使う、②4本ゴトクや一体型で接地を安定させる、③テーブルや地面が水平か必ず確認する。特に子どもやペットがいる環境では、足を引っかけてホースや本体を倒さない配置も意識しましょう。軽さは正義ですが、安定とのバランスを忘れないことが大切です。
使用後のメンテナンスで寿命が変わる
長く使うコツは、使用後のひと手間にあります。結論から言うと、バーナーヘッドやゴトクに付いた油汚れ・吹きこぼれは、その都度拭き取るだけで寿命が大きく変わります。汚れを放置すると目詰まりして炎が不均一になり、点火不良の原因にもなるからです。OD缶・CB缶ともに、使い終わったら必ず缶を外して保管するのが基本。点火装置(イグナイター)は湿気に弱いので、雨の日に使ったあとはよく乾かしましょう。シーズンオフには、ゴトクの可動部に異常がないか、ガス漏れの音やにおいがないかを点検しておくと安心です。道具を大事に扱えば、ガスバーナーは10年単位で付き合える相棒になります。

ガスバーナーのよくある質問
最後に、初心者からよく寄せられる質問にまとめて答えます。購入前のモヤモヤをここで解消しておきましょう。
使うガス缶は他社製でも大丈夫?
結論として、メーカーは自社製の純正ガス缶の使用を推奨しています。接続規格(ネジ式かはめ込み式か)が合えば物理的には装着できる場合もありますが、缶のガス配合や圧力設計が本体と最適化されていないと、火力が安定しなかったり安全性に問題が出たりすることがあります。特に保証の面でも、純正以外を使用した場合の不具合はサポート対象外になるのが一般的です。コストを抑えたい気持ちは分かりますが、安全と性能を考えれば、本体と同じメーカーのガス缶を使うのが基本だと覚えておきましょう。
飛行機にガスバーナーやガス缶は持ち込める?
ガス缶(カートリッジ)は、可燃性ガスのため航空機への持ち込み・預け入れともに禁止されています。これは国内線・国際線を問わず共通のルールです。一方、ガスが入っていないバーナー本体は持ち込める場合が多いですが、燃料のにおいが残っていると止められることもあります。遠征先でキャンプをする場合は、現地のアウトドアショップやホームセンターでガス缶を調達するのが基本です。詳しいルールは利用する航空会社や国土交通省の案内で必ず確認してください。安全に関わる重要なポイントなので、出発前にチェックしておきましょう。
ガスバーナーの所持や携帯に法律上の制限はある?
ガスバーナー本体そのものに、所持や携帯を規制する特別な法律はありません。刃物のような銃刀法の対象でもないため、キャンプ用品として普通に持ち運べます。ただし、燃料であるガス缶は高圧ガス保安法の対象で、保管や廃棄に注意が必要です。使い切った缶は、各自治体のルールに従って穴を開ける・開けないを確認して分別廃棄してください(自治体によって対応が異なります)。中身が残った缶を一般ごみに混ぜるのは火災の原因になり危険です。廃棄方法はお住まいの自治体の案内で確認するのが確実です。
まとめ:使い方に合った1台で、外ごはんはもっと楽しくなる
ガスバーナー選びは、難しく考える必要はありません。「燃料(CB缶かOD缶か)」「発熱量」「重量」の3つの軸で見れば、自分のスタイルに合う1台は自然と絞り込めます。手軽さとコスパならCB缶、軽さと寒さへの強さならOD缶。この大方針さえ決まれば、あとは予算とシーンで選ぶだけです。
今回紹介した8機種のポイントを、最後にもう一度おさらいしておきましょう。
・最初の1台で迷ったらCB缶のSOTO ST-310(330g・2,500kcal/h・約6,300円〜)が無難
・とにかく安く始めるならイワタニ CB-JCB(約3,780円)かSOTOアミカス(4,000円台)
・軽さと風への強さならSOTOウインドマスター(本体約60g)が筆頭
・火力最優先ならプリムスP-153(3,600kcal/h)かEPIgas REVO-3700(最高4,200kcal/h)
・ファミリー・オートキャンプは安定感のあるタフまるJr.やHOME&CAMP
・冬や登山ではOD缶+パワーガス、軽量機には小さめの鍋を合わせるのが安全の鉄則
・テント内・車内での使用は一酸化炭素中毒の危険があるため厳禁
最初の一歩としては、まず自分のキャンプスタイル(ソロか家族か、徒歩か車か、夏中心か冬も行くか)を紙に書き出してみてください。そのうえでこの記事の比較表を眺めれば、候補は2〜3台に絞れるはずです。ガスバーナーは一度買えば長く使える道具です。背伸びしすぎず、でも安すぎる無名品にも飛びつかず、実績のある国内ブランドから選べば失敗しません。お気に入りの1台を手に入れて、外で淹れる一杯のコーヒーや温かい食事を、ぜひ楽しんでください。
※本記事のスペック・価格はメーカー公式サイト(SOTO/イワタニ/プリムス/EPIgas)および各販売店の情報をもとにしています。最新情報は公式サイトでご確認ください。

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