「タープの下で焚き火をしたら、生地に小さな穴がいくつも開いてしまった」——これ、キャンプを始めたばかりの人がやりがちな失敗の代表格です。原因は素材選び。一般的なポリエステルやナイロンのタープは火の粉に弱く、飛んできた火の粉が触れた瞬間に溶けて穴が開きます。そこで登場するのが「焚き火タープ」、つまり火の粉に強いTC(ポリコットン)素材などで作られたタープです。
結論から言うと、焚き火と一緒にタープを使いたいなら、選ぶべきはポリエステル100%ではなくTC(ポリエステルとコットンの混紡)やコットン素材。火の粉が当たっても溶けにくく、穴が開きにくいのが最大の理由です。とはいえ「TCなら何でもいい」わけでもなく、重量・サイズ・撥水性・価格はモデルごとに大きく違います。重いものだと5kg超、軽いソロ向けは2kg台と、その差は2倍以上。
この記事では、焚き火タープの基本から、TC・コットン・VC素材の違い、失敗しない選び方の5ポイント、ソロ向け〜ファミリー向けのおすすめ5モデルをスペックと価格で比較しながら紹介します。さらに「タープ下で焚き火しても大丈夫なのか」という一番気になる安全面の距離・配置、長持ちさせる手入れまで、焚き火を安心して楽しむための知識を一通りまとめました。
・焚き火タープと普通のタープの違い、火の粉に強い理由
・TC/コットン/VCなど素材ごとのメリット・デメリット
・サイズ・重量・撥水・価格で選ぶ5つのポイント
・ソロ〜ファミリー向けおすすめ5選とスペック比較表
・タープ下で焚き火するときの安全な距離・配置と手入れ方法
焚き火タープとは?普通のタープと何が違うのか

焚き火タープとは、焚き火の近くで使うことを前提に、火の粉に強い素材で作られたタープの総称です。明確な規格があるわけではなく、TC(ポリコットン)やコットンといった「燃え広がりにくく溶けにくい素材」を使ったタープが、各メーカーから「焚火タープ」「TCタープ」といった名前で売られています。まずは普通のタープとの違いと、焚き火タープが必要になる場面を整理しておきましょう。
火の粉で穴が開くか開かないかが最大の違い
普通のタープと焚き火タープの決定的な違いは「火の粉に対する強さ」です。一般的なポリエステルやナイロンのタープは熱で溶ける素材なので、飛んできた火の粉が触れた瞬間にじわっと溶けて小さな穴が開きます。一方、焚き火タープに使われるTCやコットンは、コットン(綿)が炭化することはあっても溶けて穴が広がりにくく、火の粉による被害を大きく減らせます。夏の日差しを遮りたいだけならポリエステルで十分ですが、タープの下やすぐ横で焚き火を楽しみたいなら、素材から選び直す必要があるということです。価格はポリエステル製より高めで、同サイズなら数千円〜1万円以上の差が出ることもあります。
遮光性が高く夏も涼しいのが嬉しい誤算
TCタープは火の粉に強いだけでなく、生地が厚いぶん遮光性が高いという副次的なメリットがあります。コットンを含む生地は太陽光を通しにくく、タープ下に濃い影をつくれるので、真夏の直射日光の下でも体感温度が下がります。ポリエステル100%の薄いタープだと光が透けて「日陰なのに暑い」ことがありますが、TCならそれが起きにくいわけです。ソロキャンプで昼間ものんびり過ごしたい人、夏キャンプが多い人にとっては、焚き火をしなくても選ぶ価値があります。デメリットは生地が厚いぶん重く、収納サイズも大きくなること。徒歩やバイクで運ぶ人は重量をよく確認しましょう。
こんなキャンパーに焚き火タープは向いている
焚き火タープが向いているのは、ずばり「焚き火を毎回のように楽しむ人」と「夏でも快適な日陰がほしい人」です。具体的には、ソロキャンプで焚き火を囲んで過ごす時間がメインの人、ブッシュクラフト系で直火に近い焚き火をする人、ファミリーで焚き火台を囲んで料理を楽しむ人などが該当します。逆に、デイキャンプで日差しよけにしか使わない、なるべく軽い装備で動きたいウルトラライト志向の人は、無理にTCを選ばず軽量ポリエステルタープに焚き火対策を足すほうが合理的なこともあります。次の章では、その素材の違いをもう一歩踏み込んで見ていきます。
「TC」はTetoron(ポリエステルの商標)+Cotton(綿)の頭文字。ポリコットンとほぼ同じ意味で使われます。商品名に「TC」「ポリコットン」「焚火」のいずれかが入っていれば、火の粉対策された素材だと考えてほぼ間違いありません。
ポリエステルタープはなぜ焚き火でボロボロになるのか
「焚き火に強い素材」を理解するには、逆に「弱い素材がなぜダメなのか」を知るのが近道です。ここではポリエステルが穴だらけになる仕組みと、TC・コットン・VCといった焚き火向き素材の違い、そして「TCでも油断は禁物」というリアルを正直に解説します。
ポリエステルは熱で溶ける、コットンは溶けずに炭化する
ポリエステルやナイロンが火の粉に弱いのは、熱を受けると「溶ける」プラスチック系の素材だからです。火の粉が触れた点が一瞬で溶け、繊維が縮んで小さな穴が広がります。これは一度開くと自然には戻りません。対してコットン(綿)は天然繊維で、熱を受けると溶けずに表面が黒く炭化するだけ。小さな火の粉なら表面が焦げる程度で穴まで至らないことが多いのです。TCはこの両者を混ぜた素材で、コットンの「溶けにくさ」とポリエステルの「軽さ・乾きやすさ・耐久性」を両取りしているのが人気の理由。WAQやランク王などキャンプメディアでも「焚き火と相性がいいのはコットン・ポリコットン」と一致して紹介されています。
TC・コットン・VC、3つの素材を数値で比べる
焚き火向きの素材は大きくTC(ポリコットン)、コットン100%、VC(バレットクロスなどコットン比率の高い混紡)の3系統。火の粉への強さはコットン比率が高いほど上がりますが、そのぶん重く乾きにくくなります。下の表で特徴を整理しました(キャンプ&ナイフの教科書調べ)。
| 素材 | 火の粉の強さ | 重さ | 乾きやすさ |
|---|---|---|---|
| ポリエステル100% | ×(溶ける) | ◎ 軽い | ◎ 速い |
| TC(ポリコットン) | ○ 強い | △ やや重い | △ やや遅い |
| コットン100% | ◎ 最も強い | × 重い | × 遅い |
多くの人にとってのバランス解はTC。コットンほど重くなく、火の粉にはしっかり強い。まずはTCから入って、焚き火を本格化させたくなったらコットン寄りを検討する、という流れが現実的です。なおTC素材の特性はテントでも共通するので、素材から深掘りしたい人はこちらも参考になります。

「TCなら穴が絶対に開かない」は誤解
ここは正直にお伝えします。TCタープは「火の粉に強い」だけで「絶対に穴が開かない」わけではありません。大きな火の粉が直撃したり、強風で炎ごと煽られたりすれば、TCでも焦げ穴はできます。実際、薪に水分が多いと加熱で水蒸気爆発が起き、パチッと大きな火の粉が飛ぶことがあります。これがタープに連続で当たれば、TCでも小穴が点々とできることは珍しくありません。つまりTCは「火の粉のリスクを大きく減らす保険」であって、無敵の盾ではないということ。素材に頼りきらず、後述する焚き火との距離や配置をセットで守ることが、タープを長く使うコツです。
「タープなら何でも一緒だろう」と安いポリエステルタープの下で焚き火をして、一晩で生地に十数個の穴が開いた——という失敗は本当に多いです。原因は素材の選び間違い。対策はシンプルで、焚き火をするなら最初からTC以上の素材を選ぶこと。手持ちがポリエステルなら、焚き火台をタープの風下・十分離れた位置に置くだけでも被害は減らせます。
失敗しない焚き火タープの選び方5つのポイント

素材がTCだと分かっても、サイズや重量を間違えると「重すぎて運べない」「小さすぎて焚き火スペースが取れない」といったミスマッチが起きます。ここでは購入前に必ずチェックしたい5つのポイントを、数値の目安つきで解説します。
形状はヘキサかレクタか、ウイングか
タープの形は主にヘキサ(六角形)、レクタ(長方形)、ウイング(菱形)の3種類。結論として、初心者で1枚目ならヘキサが扱いやすくおすすめです。ヘキサは曲線的で見た目が美しく、風にも比較的強く、設営の自由度も高い。レクタは長方形で日陰の面積が最大になり、複数人やリビング空間づくりに向きますが、ポール本数が増え設営はやや手間。ウイングはソロ向けの小型で軽量、シルエットが美しい反面、覆える面積は小さめです。ファミリーならレクタかヘキサのLサイズ、ソロならウイングか小型ヘキサ、という選び分けが基本になります。形状ごとの張り方を詳しく知りたい人は、こちらの一覧も役立ちます。

重量は2kg台か5kg超か、運び方で決まる
TCタープは重さの幅が大きく、ソロ向けウイングは総重量2.1kg程度、ファミリー向けの大型ヘキサは5kgを超えます。徒歩キャンプやバイク・自転車で運ぶなら、2kg台のムササビウイングのような軽量モデルが現実的。オートキャンプで車から下ろすだけなら5kg超でも問題ありません。「軽さ」と「日陰の広さ」はトレードオフなので、まず自分の運び方を決めてから重量の上限を引くのが失敗しないコツです。なお同じTCでもコットン比率が高いほど重くなる傾向があるので、スペック表の素材表記もあわせて確認しましょう。
撥水・耐水性と付属品の有無をチェック
TCは元々水を吸いやすい素材なので、撥水加工の有無は要チェックです。多くの焚き火タープには撥水加工が施されていますが、使ううちに効果は落ちるので、撥水スプレーでの再加工が前提になります。耐水圧はポリエステルタープのように高い数値で表記されないことも多く、TCは「繊維が水を含んで膨張し目が詰まることで水を防ぐ」仕組みのため、小雨〜中雨程度が守備範囲。土砂降りでは染みてくることもあります。あわせて確認したいのが付属品。DODの「いつかのタープTC」のようにポール・ペグ・ロープが最初から付くオールインワンモデルなら追加出費なしで始められますが、テンマクの「焚火タープTCコネクト」のようにポール・ペグ別売りのモデルもあり、別途数千円かかります。
予算は3,000円台から2万円台まで、価格帯で選ぶ
焚き火タープの価格は、Soomloomなど実売9,000円台のコスパ系から、ムササビウイング(18,480円・税込)やDOD いつかのタープTC(17,600円・税込)などの定番、さらにポール別売りで合計2万円を超えるテンマクの大型モデルまで幅があります。レベル別の目安は、まず試したい初心者なら1万円前後のコスパ系、長く使う本命なら1.7万〜2万円台の定番ブランド、というイメージ。安すぎるモデルは縫製や撥水が弱いこともあるので、価格だけでなくレビューもあわせて見るのがおすすめです。具体的な5モデルは次章で1つずつ紹介します。
ソロ向け軽量焚き火タープおすすめ|2kg台から
まずは徒歩・バイクでも運びやすい軽量モデルから。ソロキャンプで焚き火を囲んで過ごすなら、ウイング型や小型ヘキサが扱いやすく、設営も1人で完結します。ここでは2モデルを取り上げます。
ムササビウイング13ft. TC“焚き火”version|美しさと軽さの定番
結論、ソロの焚き火タープで「軽さ・見た目・信頼性」のバランスを求めるならムササビウイングが鉄板です。総重量約2,150g(本体約1,900g)と、TCタープとしてはかなり軽量で、ウイング型の流れるようなシルエットが美しいモデル。サイズは約390×380/240cmで、ソロ〜2人のリビング空間に過不足ないサイズ感です。素材はポリエステル×コットンの混紡で、タープ付近で焚き火をしても火の粉による穴あきを減らせる“焚き火”versionとして作られています。価格は18,480円(税込・楽天WILD-1)。注意点は、ウイング型ゆえに覆える面積は長方形より小さく、横殴りの雨にはやや弱いこと。ポール・ペグは別売りなので、設営一式を揃える予算も見ておきましょう。
| 商品名 | ムササビウイング13ft. TC“焚き火”version |
| メーカー | tent-Mark DESIGNS(テンマクデザイン) |
| 価格 | 18,480円(税込・楽天WILD-1) |
| 重量 | 総重量約2,150g(本体約1,900g) |
| サイズ | 約390×380/240cm |
| 素材・特徴 | ポリエステル×コットン混紡/ウイング型・焚き火version |
Soomloom ヘキサタープ TC|1万円以下で始められるコスパ枠
「まずは安く焚き火タープを試したい」人の最有力候補がSoomloomのTCヘキサタープです。サイズは約420×410cmの六角形で、ソロ〜2人に十分な日陰を確保できます。素材はポリコットン(TC)で焚き火可をうたい、遮熱・耐火・撥水性を備えるのが特徴。収納サイズは約36×16cmとコンパクトにまとまります。価格は公式で14,799円(税込)ですが、Amazonや楽天では実売9,000円台で見かけることも多く、コストパフォーマンスは抜群。ポール付きのセットも選べるので、一式まとめて安く揃えたい初心者に向きます。注意点は、定番ブランドに比べて撥水の持ちや縫製にややばらつきがあるという声があること。価格を考えれば十分実用的ですが、過度な期待は禁物です。
| 商品名 | ヘキサタープ TC 4.2×4.1m |
| メーカー | Soomloom(スームルーム) |
| 価格 | 公式14,799円(税込)/実売9,000円台 |
| サイズ | 約420×410cm(六角形) |
| 収納サイズ | 約36×16cm |
| 素材・特徴 | ポリコットンTC/焚き火可・撥水加工・ポール付きセットあり |
軽量モデルを選ぶときの注意点
軽さを優先するソロ向けタープには共通の注意点があります。それは「面積が小さいぶん、焚き火との距離を確保しにくい」こと。小型タープで無理に焚き火台をタープ下に置くと、距離が足りず火の粉や熱のリスクが上がります。軽量モデルは「焚き火はタープの外、タープ下は調理・くつろぎスペース」と割り切る配置が安全です。また、ウイング型は1本ポール+ガイラインで張る形が多く、ペグダウンが甘いと風で煽られやすいので、しっかりしたペグと張り綱の張力管理がセットになります。張り綱に使うロープの選び方はこちらが参考になります。
焚き火タープおすすめ|ファミリー・グループ向け3選

続いて、複数人で焚き火台を囲んだり、リビング空間を広く取りたい人向けの大型モデルです。重量は5kg前後になりますが、そのぶん日陰が広く、雨天時の居住性も高くなります。オートキャンプ前提で選ぶのがおすすめです。
DOD いつかのタープTC|ポール込みで届く安心のオールインワン
「これ1つ買えばすぐ張れる」初心者フレンドリーさで選ぶならDODのいつかのタープTCです。最大の魅力は、ポール2本・ペグ・ロープ・収納袋・延長ベルトまで最初から付属するオールインワン仕様。別途ポールを買い足す必要がなく、17,600円(税込)で焚き火タープデビューが完結します。サイズはW420×D410×H230cm(付属ポール使用時)で、ソロ〜ファミリーまで幅広く対応。素材はポリコットン(TC)で火の粉に強く、遮光性も高めです。重量は約5.1kgとしっかりめなので、オートキャンプ向き。カラーもタン・ブラック・カーキ・ブルーグレーと選べます。注意点は、付属ポールは標準的なスペックなので、より高い設営や強風対策をしたい人は後々ポールを買い替えたくなる可能性があること。
| 商品名 | いつかのタープTC(TT5-919) |
| メーカー | DOD(ディーオーディー) |
| 価格 | 17,600円(税込) |
| 重量 | 約5.1kg |
| サイズ | W420×D410×H230cm(付属ポール使用時) |
| 素材・特徴 | ポリコットン(TC)/ポール・ペグ・ロープ付属のオールインワン |
FIELDOOR ヘキサタープTC|4〜6人に広い日陰をコスパよく
ファミリーやグループで広い日陰がほしいなら、FIELDOORのヘキサタープTC(Mサイズ)がコスパに優れます。Mサイズは約440×470cmで4〜6人用、さらに広いLサイズ(約530×570cm/6〜8人用)も選べます。素材はT/C(ポリコットン)で遮光性・難燃性・耐久性に優れ、ペグ8本・メインロープ2本・サブロープ4本・専用キャリーバッグが付属します。重量は約5.4kgとファミリーサイズらしい重さ。価格は時期や販売店で変動しますが、定番ブランドよりも抑えめの設定で、最新価格は公式サイトで確認するのが確実です。注意点は、サイズが大きいぶん設営にポール2本+多数のペグダウンが必要で、1人での設営はやや手間なこと。2人以上で張るとスムーズです。
| 商品名 | ヘキサタープTC(Mサイズ) |
| メーカー | FIELDOOR(フィールドア) |
| 価格 | 公式サイトで要確認(コスパ系) |
| 重量 | 約5.4kg |
| サイズ | 約440×470cm(M/4〜6人用) |
| 素材・特徴 | T/C(ポリコットン)/ペグ・ロープ・キャリーバッグ付属 |
テンマク 焚火タープTCマルチコネクトヘキサ|テント連結で居住性UP
テントと連結して雨天でも快適なリビングを作りたいなら、テンマクデザインの焚火タープTCマルチコネクトヘキサが本命です。最大の特徴は、テントとタープをつなぐテープの長さを調整でき、テント高さ280〜350cmまで対応する“コネクト”機構。サイズは約580×450×280cmと大きく、グループでも広々使えます。素材はポリエステル65%・コットン35%の撥水加工済みTCで、火の粉に強く遮光性も十分。総重量は約5,344g(本体4,686g・張綱280g・収納袋378g)、収納サイズは約73×Φ18cmです。注意点は、ポール・ペグが別売りなこと。本体価格に加えてポール代がかかるため、合計コストは2万円台に乗ることもあります。最新価格は公式サイトで確認してください。
| モデル | サイズ | 重量 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| ムササビウイング13ft.TC | 390×380cm | 約2,150g | 18,480円 |
| Soomloom ヘキサTC | 420×410cm | — | 9,000円台〜 |
| DOD いつかのタープTC | 420×410cm | 約5.1kg | 17,600円 |
| FIELDOOR ヘキサTC(M) | 440×470cm | 約5.4kg | 公式で要確認 |
| テンマク コネクトヘキサ | 580×450cm | 約5,344g | 公式で要確認 |
※価格は2026年6月時点の調査値(キャンプ&ナイフの教科書調べ)。価格・在庫は変動するため、購入前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。
タープの下で焚き火しても大丈夫?安全な距離と配置
焚き火タープを買った人が一番知りたいのが「結局、タープ下で焚き火していいの?」という点でしょう。ここはあいまいにせず、安全側に振った結論と具体的な距離・配置を解説します。素材が強くても、配置を間違えれば火災や穴あきにつながります。
結論:タープ直下での焚き火は基本NG
結論から言うと、TCタープであってもタープの真下での焚き火は基本的にNGです。理由は2つ。1つは、火の粉が連続で当たればTCでも穴が開くこと。もう1つは、炎や熱がタープに近すぎると、最悪の場合に発火・延焼のリスクがあること。一部メーカーには「指定条件下でのみタープ下での焚き火を許可」するモデルもありますが、それはその製品限定のルールであって、すべての焚き火タープに当てはまるわけではありません。基本姿勢は「焚き火はタープの外、タープ下は雨よけ・くつろぎ空間」。これを守るだけで、トラブルの大半は避けられます。
焚き火タープでも「直下で大きな焚き火」は禁物です。炎が大きいほど火の粉も熱も増えます。タープ近くで焚き火をするなら炎を低く保ち、強風の日はそもそもタープ近傍での焚き火を避けるのが安全。キャンプ場ごとの焚き火ルール(焚き火台必須・直火禁止など)も必ず守りましょう。
距離の目安は「炎の高さ×3」
どうしてもタープの近くで焚き火をしたい場合の距離の目安として、「タープ天頂の高さは炎の高さの約3倍、横方向も十分に離す」という考え方が参考になります。たとえば炎の高さが40cmの落ち着いた焚き火なら、タープ天頂高さは1.2m以上(40cm×3)、横方向は4.5m以上を確保するのが安全圏とされます。逆に炎の高さが1m近い大きな焚き火は、そもそもタープの近くではやらない判断が無難です。数字はあくまで目安ですが、「炎が大きいほど距離を取る」という原則は覚えておく価値があります。小型タープほどこの距離を取りにくいので、ソロ用ウイングなどでは焚き火を完全にタープ外へ出すのが現実的です。
風下に焚き火を置き、地面も守る
配置のコツは「焚き火台はタープの風下に置く」こと。風上に置くと、火の粉や煙がそのままタープと自分に流れてきます。風向きを読んで、煙が抜けていく側に焚き火台をセットしましょう。また、忘れがちなのが地面の保護。焚き火の輻射熱や落ちた炭は芝生を焦がし、キャンプ場によっては弁償やトラブルになります。焚き火台の下には焚き火シート(スパッタシート)を敷くのが基本マナー。タープの生地を守るのと同じくらい、地面を守る意識も持っておきましょう。焚き火シートは100均でも手に入るので、まず試したい人はこちらが参考になります。

焚き火タープを長持ちさせる手入れと注意点
TCタープはポリエステルに比べて「濡れたままにすると傷む」素材です。せっかくの焚き火タープを数年使うために、撤収後の手入れと保管のコツを押さえておきましょう。ここでの失敗が、実は穴あきよりも寿命を縮めます。
濡れたまま放置でカビる、必ず乾かす
TCタープで最も多い失敗が「濡れたまま収納してカビが生えた」というケースです。コットンを含むTCは水分を吸いやすく、湿ったまま袋に入れて数日置くと、内部でカビが発生して黒い斑点や独特のにおいが残ります。一度生えたカビは完全には落ちません。対策はシンプルで、撤収時に濡れていたら帰宅後に必ず広げて完全乾燥させること。当日が雨でも、自宅でベランダや浴室に吊るして乾かせばカビは防げます。面倒に感じますが、この一手間がTCタープの寿命を大きく左右します。
「雨で濡れたけど面倒だからそのまま袋へ」を1回やっただけで、次に開いたらカビ臭くなっていた——TCタープあるあるです。原因は乾燥不足。対策は、帰宅後どんなに疲れていても一度広げて乾かすこと。乾燥さえ徹底すれば、TCタープは何年も使える丈夫な相棒になります。
撥水は落ちる前提、スプレーで復活させる
TCタープの撥水加工は永久ではありません。使ううちに水を弾かなくなり、雨で生地が水を吸って重くなったり、染みてきたりします。これは劣化ではなく消耗なので、市販の撥水スプレーで定期的に再加工するのが正解です。タイミングの目安は、水が玉にならず生地に染み込み始めたら。乾いた状態で全体に均一にスプレーし、しっかり乾かせば撥水が復活します。新品時の状態を保とうとするより、「落ちたら足す」と割り切るほうが気楽に長く使えます。
火の粉の小穴は早めに補修、収納は余裕を持って
どんなに気をつけてもTCタープに小さな焦げ穴ができることはあります。放置すると穴が広がることがあるので、見つけたら早めにリペアシートや補修布で塞ぐのがおすすめ。小穴のうちならアウトドア用の補修パッチを貼るだけで十分実用に耐えます。また、収納の際はギチギチに丸めず、余裕を持って畳むほうが生地のダメージが減ります。乾燥→軽くたたんで収納→帰宅後に再乾燥、というサイクルを習慣にすれば、焚き火タープは長く付き合える道具になります。タープ全般の張り方や使いこなしを深めたい人は、形状別の手順ガイドもあわせてどうぞ。
まとめ:素材と距離を押さえれば焚き火タープは怖くない
焚き火タープ選びは、まず「素材」で決まります。ポリエステル100%は火の粉で溶けて穴が開くため、焚き火と一緒に使うならTC(ポリコットン)やコットンが必須。なかでもTCは、火の粉への強さと軽さ・乾きやすさのバランスがよく、最初の1枚に最適です。ただしTCも万能ではなく、大きな火の粉や近すぎる炎には穴が開くので、素材だけに頼らず「焚き火との距離・配置」をセットで守ることが、タープを長く使う最大のコツでした。
そのうえで、自分のスタイルに合うサイズと重量を選びましょう。要点を整理します。
・焚き火と使うならポリエステル100%は避け、TC・コットンを選ぶ
・TCでも直下での焚き火は基本NG、焚き火はタープの外が安全
・距離の目安は「タープ高さ=炎の高さ×3」、横も十分離す
・徒歩・バイクなら2kg台のウイング、車なら5kg超の大型もOK
・ソロの軽さ=ムササビウイング、すぐ張れる=DOD、安さ=Soomloom
・撤収後は必ず乾燥、撥水はスプレーで再加工、小穴は早めに補修
最初の一歩としておすすめなのは、ポール・ペグまで付属してすぐ張れるDODの「いつかのタープTC」(17,600円・税込)か、コスパで試せるSoomloomのヘキサタープ。軽さと見た目を重視するソロキャンパーならムササビウイング(18,480円・税込)が満足度の高い選択です。まずは1枚手に入れて、焚き火タープの外で焚き火を囲む——その快適さを体験してみてください。火の粉を気にせず、夏は濃い日陰でのんびりできる。焚き火タープは、キャンプの過ごし方そのものを一段豊かにしてくれる道具です。なお各製品の価格・仕様は変動するため、購入前に必ず各メーカー公式サイト(DOD/tent-Mark DESIGNS/FIELDOOR)で最新情報をご確認ください。
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