「キャンプ電源って、結局どれを買えばいいの?」——焚き火の準備は揃ってきたのに、ここで足踏みしている人はとても多いです。スマホの充電が切れて地図が見られなくなったり、夏の車中泊で扇風機が回せず寝苦しかったり、電源まわりの失敗はキャンプの快適さに直結します。容量も価格も幅が広く、専門用語も多いので、最初の1台選びでつまずくのは当然なんです。
結論から言うと、キャンプ電源(ポータブル電源)選びで本当に見るべきポイントは「容量(Wh)」「定格出力(W)」「電池の種類(リン酸鉄か三元系か)」の3つだけです。この3つさえ押さえれば、1万円台のコンパクトモデルから10万円超の大容量機まで、自分のキャンプスタイルに合う1台が必ず見つかります。逆にここを飛ばしてスペックの大きさだけで選ぶと、「重くて持ち運べない」「思った家電が動かない」という後悔につながります。
この記事では、選び方の基本から、実勢価格を1台ずつ確認した予算別おすすめ7選、リン酸鉄リチウムの安全性、キャンプ場でのトラブル回避まで、焚き火を囲んで仲間に教えるつもりで具体的な数値で解説します。スペック比較は「キャンプ&ナイフの教科書調べ」の表にまとめたので、自分の使い方に当てはめながら読み進めてください。
・キャンプ電源選びで見るべき3つの基本(容量・出力・電池)
・使う家電から必要なWhを逆算する具体的な計算方法
・1万円台〜10万円超まで予算別おすすめ7選を容量順に比較
・リン酸鉄と三元系の安全性・寿命の違いと、キャンプ場でのトラブル回避術
キャンプ電源選びで失敗しない3つの基本ポイント

キャンプ電源と一口に言っても、手のひらサイズの200Whクラスから、家一軒の停電をしのげる1000Whオーバーまでピンキリです。値段の高い安いだけで選ぶと必ず後悔します。まずは全モデル共通でチェックすべき3つの軸を押さえましょう。ここが分かれば、後のおすすめ選びがぐっと楽になります。
容量(Wh)は「何日・何の家電を動かすか」で決まる
最初に見るのは容量で、単位は「Wh(ワットアワー)」です。これは電気の貯金箱の大きさだと考えてください。たとえば消費電力50Wの扇風機を230Whのモデルで動かすと、計算上は約4.6時間(230÷50)回せます。ソロで1泊、スマホ充電とLEDランタンくらいなら200〜300Whで足ります。夫婦や家族で電気毛布や小型冷蔵庫まで使うなら700〜1000Whが目安です。容量が大きいほど安心ですが、その分重く高価になります。「2泊するから大容量」と安易に倍を選ぶと、結局持て余して車から降ろさなくなる——これがよくある失敗の入り口です。自分が本当に使う家電を3つ書き出すところから始めましょう。
定格出力(W)が足りないと家電は動かない
容量と同じくらい大事なのが「定格出力(W)」です。これは一度に流せる電気の太さで、これが使いたい家電の消費電力を下回ると、容量が余っていても動きません。たとえばドライヤーやホットプレートは1000〜1200Wを食うので、定格300Wのモデルでは起動すらしません。一方、スマホ充電やLED照明、扇風機、電気毛布なら300Wもあれば十分です。キャンプで温かい料理や調理家電まで使いたいなら定格1500W以上が安心の目安。「容量は大きいのに出力が小さい」モデルを買って電気ケトルが沸かせなかった、というのは初心者がやりがちなミスマッチです。使いたい家電の「W数」を取扱説明書で先に確認しておきましょう。
電池はリン酸鉄(LiFePO4)が今の主流
3つ目は電池の種類です。今のキャンプ電源は「リン酸鉄リチウムイオン(LiFePO4)」と「三元系リチウムイオン」の2タイプがあり、近年の新モデルはほぼリン酸鉄に切り替わっています。リン酸鉄は熱に強く発火しにくいうえ、充放電を繰り返せる回数(サイクル寿命)が数千回と長く、毎週末キャンプに使っても10年近く持つ計算です。三元系は同じ容量でやや軽く安い反面、寿命が500回前後と短め。価格差が小さいなら、安全性と長寿命のリン酸鉄を選んでおけば間違いありません。本記事のおすすめでも、各モデルがどちらの電池かを明記しています。
スマホに書いてある「mAh」とポータブル電源の「Wh」は別物です。換算はおおよそ Wh ≒ mAh × 電圧(V) ÷ 1000。たとえば20000mAh(3.7V換算)のモバイルバッテリーは約74Whで、230Whのキャンプ電源はその約3倍の電気を蓄えられる計算になります。
容量は何Whあれば足りる?使う家電から逆算する
「で、自分は何Whを買えばいいの?」——ここが一番知りたいところですよね。答えは「使う家電の消費電力×使う時間」を足し算するだけです。難しい計算は不要。代表的な家電の目安と、人数・スタイル別のおすすめ容量を具体的に見ていきましょう。
主要キャンプ家電の消費電力の目安
まず家電ごとの消費電力(W)を頭に入れましょう。スマホ充電は約10W、LEDランタンは5〜10W、USB扇風機は5〜30W、電気毛布は40〜80W、車載冷蔵庫は40〜60W、電気ケトルは1000W前後、ホットプレートは1200W前後です。たとえば「電気毛布(50W)を一晩8時間」なら 50×8=400Wh が必要。ここに変換ロスを2割ほど見込んで、実際は1.2倍の容量を持っておくと安心です。つまり400Wh使いたいなら、表記500Wh前後のモデルを選ぶのが現実的なライン。数字で逆算すれば「なんとなく大きいの」を買わずに済みます。
ソロ1泊なら200〜300Whで十分足りる
結論として、ソロキャンプで1泊、用途がスマホ・カメラ充電とLED照明、夏場の小型扇風機くらいなら、200〜300Whクラスで困りません。たとえば230WhのEcoFlow RIVER 3なら、スマホを20回前後充電できる計算で、重量も3.5kgとリュックに入れて歩ける軽さです。3kg台のモデルは女性ソロや徒歩キャンプでも扱いやすく、価格も3万円前後と手を出しやすい。「初めての1台で失敗したくない」人には、まずこのクラスをおすすめします。ブッシュクラフト寄りで電気をほぼ使わない人なら、もっと小さいモバイルバッテリーで足りる場合もあります。
ファミリー・連泊・冬は700〜1000Whが安心
家族で行く、2泊以上する、冬に電気毛布や暖房系を使う——このいずれかに当てはまるなら700〜1000Whクラスを選びましょう。電気毛布2枚を一晩使い、翌朝にコーヒー用の湯を沸かす、といった使い方だと300Whでは到底足りません。1070WhのJackery 1000 Newなら電気毛布を一晩使っても余裕があり、定格1500Wで電気ケトルも動きます。デメリットは重量で、このクラスは10kg前後になり、サイトまで距離があると運搬が負担です。オートキャンプ(車を横付けできる)前提で選ぶのが基本になります。
| 大容量モデルのメリット | 大容量モデルのデメリット |
|---|---|
| 連泊・冬の電気毛布に余裕で対応 定格1500W級で調理家電も動く 停電・防災用としても頼れる |
10kg超で運搬が重労働 価格が6万〜12万円と高い ソロには明らかにオーバースペック |
ポータブル電源をキャンプでどう使い倒すか、容量別の活用シーンをさらに詳しく知りたい人はこちらの記事も参考にしてください。

【1万円台〜3万円台】コンパクトなキャンプ電源おすすめ4選

ここからは実勢価格を1台ずつ確認した具体的なおすすめを紹介します。まずはソロ〜デュオ向けの、軽くて安いコンパクトクラス4選。いずれも3〜5kg台で持ち運びやすく、初めての1台に最適な価格帯です。すべて長寿命のリン酸鉄電池を採用しています。
Anker Solix C300|288Whで2.8kgのDC版が破格
| 商品名 | Anker Solix C300 |
| 容量 | 288Wh |
| 価格帯 | 29,990円〜(AC版)/19,990円(DC版) |
| 重量 | 約4.1kg(AC版)/2.8kg(DC版) |
| 定格出力 | 300W |
| 電池・特徴 | リン酸鉄/最大5年保証・ストラップ付属 |
結論、コスパと携帯性のバランスで頭ひとつ抜けているのがAnker Solix C300です。288Whと容量に余裕があり、AC版が29,990円〜、AC出力を省いたDC版なら2.8kg・19,990円とこのクラス最安級。USB機器中心のソロキャンプならDC版で十分まかなえます。8ポート搭載で同時に複数機器を充電でき、最大5年保証も安心材料。注意点は、DC版にはAC100Vコンセントがないこと。電気毛布やAC給電の家電を使う予定があるなら、必ずAC版を選んでください。Ankerはモバイルバッテリーで実績のあるメーカーなので、最初の1台として信頼して選べます。
EcoFlow RIVER 3|3.5kgで充電が速いソロの定番
EcoFlow RIVER 3は230Wh・3.5kgで、約30,900円。最大の魅力は充電速度で、X-Streamという急速充電技術により本体を1時間ほどで満充電にできます。「キャンプ前夜に充電を忘れた」ときでも、出発までの支度時間でほぼ満タンにできるのは実用上かなり助かります。定格300Wなのでスマホ・照明・扇風機・小型機器が守備範囲。容量は本記事の4選で一番小さいので、電気毛布を一晩使うような用途には不向きです。割り切ってソロの軽量装備に組み込むのが正解。3kg台前半は徒歩や自転車キャンプでも背負える重さで、UL寄りのキャンパーとも相性が良い1台です。
Jackery 240 New|256Whで国内サポート安心の定番
ポータブル電源の代名詞的ブランド・Jackeryのエントリー機がこの240 Newです。256Wh・3.6kg・定格300Wで、価格は32,800円前後(セールで2万円台になることも)。旧モデルから電池がリン酸鉄に進化し、寿命と安全性が向上しました。純正弦波出力でパソコンや精密機器にも使いやすく、アプリで残量を遠隔確認できるのも今どき。国内サポートが手厚く、困ったときに日本語で問い合わせられる安心感は初心者にとって大きな価値です。デメリットは同価格帯のAnker C300より容量がやや小さい点。容量重視ならC300、ブランドの安心感とサポート重視ならJackery、という選び方になります。
EcoFlow RIVER 3 Plus|286Wh・定格600Wで拡張もできる
「コンパクトだけど、もう少し動かせる家電を増やしたい」人に刺さるのがRIVER 3 Plusです。286Wh・4.7kgで約39,800円。注目は定格600Wと、4選の中で出力が頭ひとつ大きいこと。これにより小型のホットプレートや一部の調理家電にも対応の幅が広がります。さらに専用の拡張バッテリーを後付けすれば容量を増やせるので、「最初はソロ、いずれデュオやファミリーでも」という段階的なステップアップに向きます。デメリットは4.7kgと4選では最重量で、価格も4万円弱とやや高め。今後の拡張性に投資できる人向けの1台です。
【6万円以上】大容量で家族キャンプも安心な3選
続いては連泊・ファミリー・防災までカバーできる大容量クラス3選です。700〜1150Whと電気の余裕が段違いで、定格出力も高く調理家電まで動かせます。その分10kg超と重く価格も上がるので、車を横付けできるオートキャンプ前提で選びましょう。
Jackery 708|708Whで2〜3日のキャンプをまかなう
Jackery 708は708Wh・定格500Wで、価格は65,000円程度。スマホを約40回、ノートPCを約9回充電できる容量があり、車中泊や2〜3日のキャンプ、いざという時の備えまで1台でこなします。AC100Vコンセント2口、USB-C(PD60W)、シガーソケットと出力端子も充実。注意点として、この708は新世代モデルと違い三元系リチウムイオン電池を採用したロングセラー機です。安全に問題はありませんが、最新のリン酸鉄機ほどサイクル寿命は長くありません。価格がこなれている分コスパは高く、「中容量で実績のある定番が欲しい」人には今も有力な選択肢です。最新の在庫・価格は公式サイトで確認してください。
BLUETTI AC180|1152Wh・定格1800Wで調理家電もOK
| 商品名 | BLUETTI AC180 |
| 容量 | 1152Wh |
| 価格帯 | 66,799円程度 |
| 重量 | 約16kg |
| 定格出力 | 1800W(最大2700W) |
| 電池・特徴 | リン酸鉄/約60分で満充電 |
容量あたりの価格で見るとコスパ王者なのがBLUETTI AC180です。1152Whの大容量に定格1800W(電力リフトで最大2700W)と、電気ケトルやホットプレートも余裕で動く出力を備えながら66,799円程度。約60分で満充電できるのも実用的です。家族キャンプで調理家電を使い、停電時の備えも兼ねたい人にはこれ1台で大半が片付きます。デメリットは約16kgという重さで、片手で気軽に運ぶのは無理。サイトと駐車場が離れている場所では覚悟が要ります。容量と出力を最優先するなら、重さに目をつぶる価値のある1台です。
Jackery 1000 New|1070Whで軽さと出力を両立
「大容量だけどできるだけ軽く」を求めるならJackery 1000 Newです。1070Wh・定格1500Wで重量10.8kg。同クラスのライバルより1.7kg以上軽いとされ、1000Wh級としては運びやすい部類です。約40dBと図書館並みの静音性で、夜のキャンプサイトでも稼働音が気になりにくいのも美点。電池はリン酸鉄で長寿命、定格1500Wあれば電気ケトルもドライヤーも動きます。通常価格は119,800円とやや高めですが、セール時に6万円台まで下がることもあるので、タイミングを狙う価値があります。重さと出力のバランスで選ぶなら、ファミリーキャンプの本命候補です。
大容量のキャンプ電源を導入したら、ソロや少人数の道具一式も合わせて見直すと無駄なく揃います。初心者が揃えるべき必需品はこちらでまとめています。

ここで、紹介した7台を容量順に一覧で並べておきます(キャンプ&ナイフの教科書調べ)。価格は記事執筆時点で各公式・価格比較サイトを1台ずつ確認した実勢の目安です(セールで変動します)。自分の使う家電と予算を照らし合わせて、当たりをつける材料にしてください。表を見ると一目瞭然ですが、ソロや徒歩・自転車キャンプなら3kg台前半のEcoFlow RIVER 3かJackery 240 Newが扱いやすさで抜けています。容量重視ならDC版2.8kgで19,990円のAnker C300がコスパで際立ちます。一方、ファミリーや連泊では容量だけでなく定格出力1500W以上を基準にすると失敗しません。電気ケトルやホットプレートを使うなら、定格1500WのJackery 1000Newか1800WのBLUETTI AC180の二択になります。
| モデル | 容量 | 定格出力 | 重量 | 価格目安 |
|---|---|---|---|---|
| EcoFlow RIVER 3 | 230Wh | 300W | 3.5kg | 30,900円 |
| Jackery 240 New | 256Wh | 300W | 3.6kg | 32,800円〜 |
| Anker Solix C300 | 288Wh | 300W | 2.8〜4.1kg | 19,990円〜 |
| EcoFlow RIVER 3 Plus | 286Wh | 600W | 4.7kg | 39,800円 |
| Jackery 708 | 708Wh | 500W | — | 65,000円程度 |
| Jackery 1000 New | 1070Wh | 1500W | 10.8kg | 119,800円 |
| BLUETTI AC180 | 1152Wh | 1800W | 約16kg | 66,799円程度 |
逆張り視点|「とりあえず大容量」は9割が後悔する
意外と知られていませんが、初めての1台で「大は小を兼ねる」と大容量を選んだ人ほど後悔しています。理由はシンプルで、1000Wh級は10kg超と重く、ソロやデュオでは持ち出すのが億劫になり、結局物置の肥やしになるからです。実際のキャンプで使う電気は、多くの人が思うより少ない。スマホ、照明、夏は扇風機——これだけなら300Whで足ります。電気をたくさん使う確証がないなら、まずは軽い小容量から始めて、足りないと感じてから買い増す方が満足度は高いです。容量は「足りなかったら困る」ではなく「実際に何に使うか」で決めるのが鉄則です。
リン酸鉄か三元系か|安全性と寿命のリアルな違い

キャンプ電源は中身がリチウムイオン電池なので、安全性と寿命の話は避けて通れません。電池の種類で寿命も発火リスクも変わります。ここを理解しておくと、スペック表の見え方が一段深くなります。
リン酸鉄は熱に強く、寿命も数千回と長い
結論、安心して長く使いたいならリン酸鉄リチウム(LiFePO4)を選びましょう。リン酸鉄は熱暴走を起こしにくい化学的に安定した素材で、発火リスクが三元系より低いのが最大の利点です。サイクル寿命も数千回と長く、毎週末に充放電しても10年近く持つ計算。本記事のAnker C300、EcoFlow RIVER 3/Plus、Jackery 240 New/1000 New、BLUETTI AC180はすべてリン酸鉄です。デメリットは同容量だと三元系よりやや重く、低温下で性能が落ちやすいこと。冬キャンプでは充電が遅くなる場合があるので、車内など氷点下を避けた場所で扱うと安心です。
三元系は軽く安いが、寿命は短め
三元系リチウムイオンは、同じ容量でリン酸鉄より軽く安く作れるのが長所です。Jackery 708のような実績あるロングセラー機に採用されています。ただしサイクル寿命は500回前後とリン酸鉄の数分の一で、毎週使うと数年で容量が目減りしてきます。また熱に対してはリン酸鉄ほど強くないため、夏の車内放置などはより避けるべきです。安全性に問題があるわけではありませんが、「長く使い倒したい」「猛暑日のキャンプが多い」人は、価格差が小さいならリン酸鉄を選ぶ方が結果的に得をします。
真夏の昼間、ポータブル電源を車内に置きっぱなしにしてキャンプ場を散策していたら、戻ったとき本体が熱を持ち、バッテリーがわずかに膨張していた——という失敗は珍しくありません。原因は車内温度が60℃近くまで上がること。リチウム電池は高温に弱く、特に三元系は要注意です。対策は、使わないときは直射日光と車内放置を避け、日陰やクーラーボックス横など涼しい場所に置くこと。充電も高温下では行わないのが鉄則です。
NITEが警告するリチウム電池火災に注意
これは脅しではなく事実として知っておいてください。製品評価技術基盤機構(NITE)によると、2020〜2024年の5年間でリチウムイオン電池搭載製品の事故が1,860件報告され、その約85%が火災に発展しています。事故は気温が上がる6〜8月に最も多発します。ポータブル電源は複数のリチウム電池を内蔵するため、ひとたび発火すると延焼しやすい構造です。だからこそ、PSEマークなど安全認証のある製品を選び、高温・水濡れ・強い衝撃を避けることが欠かせません。詳しくは下記の一次情報で確認できます。
参考:NITE「リチウムイオン電池搭載製品」の火災事故を防ぐ3つのポイント(PDF)
キャンプ場で安全に使うための注意点とトラブル回避
せっかくのキャンプ電源も、使い方を誤ると家電が壊れたり最悪は事故につながります。といっても難しいことはなく、いくつかのポイントを押さえるだけで安全に長く使えます。現場でやりがちな失敗とその回避策を具体的に見ていきましょう。
定格出力オーバーで家電が動かない問題
現場で一番多いのが「容量は余っているのに家電が動かない」トラブルです。原因はほぼ定格出力オーバー。たとえば定格300Wのモデルにドライヤー(1200W)をつなげば、保護機能が働いて即停止します。対策は、使いたい家電の消費電力を事前に確認し、定格出力の8割以内に収めること。複数の家電を同時に使うときは、その合計W数で考える必要があります。スマホ充電中に電気ケトルを回すと一気に出力を超える、というのもよくある盲点。説明書のW表記を見る習慣をつけましょう。
タープの端にポータブル電源を置いて使っていたら、夜半の雨が吹き込んで天面が濡れ、慌てて電源を落とした——という失敗もよく聞きます。ほとんどのキャンプ電源は防水ではなく、内部に水が入ればショートや故障の原因になります。対策は、必ずタープやテントの内側の、地面から離れた乾いた場所に置くこと。コンテナボックスの中に入れて使えば、雨はね・結露・砂ぼこりからまとめて守れて安心です。
充電サイクルを長持ちさせる使い方
キャンプ電源を長く使うコツは、満充電・空っぽの両極端を避けることです。リチウム電池は0%や100%の状態で長期保管すると劣化が進みます。長期間使わないときは残量60〜80%程度にして、月に一度くらい軽く充放電するのが理想。キャンプから帰ったら使い切ったまま放置せず、ある程度充電してからしまいましょう。また極端な高温・低温下での充電も寿命を縮めます。こうした基本を守るだけで、リン酸鉄なら10年近く、三元系でも数年は元気に働いてくれます。
AC電源サイトがある場合の使い分け
キャンプ場によっては、サイトにAC電源(コンセント)が備わった「電源付きサイト」があります。これがあるなら、現地ではコンセントから直接給電し、ポータブル電源は予備や移動時用に温存するのが賢い使い分けです。ただし電源サイトにも使用上限(多くは1000W程度)が設定されていることが多く、ホットプレートと電気ケトルを同時に使うとブレーカーが落ちます。利用前に各キャンプ場の規約で上限W数を確認しておきましょう。電源サイトとポータブル電源を併用すれば、容量の小さいモデルでも連泊を快適に過ごせます。
ソーラー充電・車中泊・防災…シーン別の活用術
キャンプ電源はキャンプ場だけのものではありません。ソーラーパネルと組み合わせたり、車中泊や防災用に転用したりと、使い道は意外と広い。1台を多目的に使い回せると、価格以上の価値が出ます。代表的な3つの活用シーンを紹介します。
ソーラーパネルで電気を自給する
連泊や長期のキャンプなら、対応ソーラーパネルを足すと電気を現地で自給できます。日中にパネルで充電し、夜に使う——この循環ができれば、容量の壁を実質的に押し上げられます。多くのメーカーが純正ソーラーパネルを用意しており、本体と同ブランドで揃えると相性トラブルが起きにくいです。注意点は天候に左右されること。曇りや雨では発電量が大きく落ちるので、ソーラーはあくまで補助と考え、出発前の満充電を基本にしましょう。100W前後の折りたたみパネルなら、デイキャンプの荷物にも収まります。
車中泊の快適度が一気に上がる
車中泊との相性は抜群です。夏はUSB扇風機やサーキュレーター、冬は電気毛布——エンジンを切ったまま朝まで使えるのは、ポータブル電源ならではの快適さ。エンジンをかけっぱなしにする必要がないので、燃料も使わず近隣への騒音・排ガスの迷惑もありません。夏の車中泊で扇風機を一晩回すなら、変換ロスを考えても500Wh以上あると安心です。スマホ・タブレットで動画を見ながら過ごすのも、容量に余裕があれば気兼ねなく楽しめます。車中泊デビューと同時に1台用意する人が増えているのも納得です。
防災用としても二役こなせる
キャンプで使い慣れた電源は、そのまま家庭の防災備蓄になります。停電時にスマホやラジオ、最低限の照明を確保できるだけで、災害時の安心感は段違い。特に定格1500W級の大容量モデルなら、夏の停電で扇風機、冬なら電気毛布も動かせます。普段からキャンプで充放電して「生きた備蓄」にできるのがポータブル電源の強みで、防災用に買って眠らせておくより、使いながら備える方が劣化も発見しやすい。キャンプと防災、両方の予算で考えると、多少高いモデルでも元が取りやすくなります。
夜のサイトを照らす照明も、電源とセットで考えると快適さが変わります。100均で揃うランタンの比較はこちらが参考になります。

まとめ|キャンプ電源は「使う家電」から逆算して選ぼう
キャンプ電源選びは、スペックの大きさではなく「自分が本当に使う家電」から逆算するのが正解です。容量(Wh)・定格出力(W)・電池の種類(リン酸鉄か三元系か)の3点さえ押さえれば、1万円台のコンパクト機から10万円超の大容量機まで、自分のスタイルに合う1台が見えてきます。重さは正義で、「結局持って行かなくなる」最大の原因が重量だということも忘れないでください。迷ったら、まず軽い小容量から始めて、足りないと感じたら買い増す——これが満足度の高い王道です。
最後に、この記事の要点を整理します。
- 選ぶ軸は「容量・定格出力・電池の種類」の3つだけ
- ソロ1泊・徒歩なら230〜288Whの3kg台(EcoFlow RIVER 3/Anker C300/Jackery 240 New)
- 家族・連泊・冬は1000Wh級&定格1500W以上(Jackery 1000 New/BLUETTI AC180)
- 今選ぶなら、安全で長寿命のリン酸鉄リチウムが基本
- 定格出力オーバーと夏の車内放置・雨濡れがトラブルの三大原因
- 満充電・空っぽの放置を避ければ、リン酸鉄は10年近く使える
- ソーラー・車中泊・防災まで使い回せば、価格以上の価値が出る
最初の一歩としておすすめなのは、まず自宅で「キャンプで使いたい家電」を3つ書き出し、その消費電力を合計してみること。その数字に時間をかけ、変換ロス分を1.2倍すれば、あなたに必要なWhが出ます。そこから本記事の比較表で当たりをつければ、もう電源選びで迷うことはありません。電気の不安が消えると、キャンプの夜はぐっと快適になりますよ。
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※本記事の価格・スペックは執筆時点で各公式サイト・価格比較サイトを確認した目安です。最新情報は各メーカー公式サイトでご確認ください。

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