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冬のキャンプ場で、テントの屋根から細い煙突が伸びている光景を見たことはありませんか。中ではストーブの小窓から炎が揺れ、外の冷え込みとは別世界の空気が流れています。「あれをやってみたい。でも、どのテントなら薪ストーブを入れていいのか分からない」という声は、焚き火を囲んでいると毎シーズン必ず聞きます。
先に結論をお伝えすると、薪ストーブテント選びで見るべきなのは「煙突穴があるか」だけではありません。生地の素材(TCかナイロン・ポリエステルか)、メーカーが認めているストーブの条件、そして就寝時の一酸化炭素対策まで含めて考えないと、穴が開いた幕と危ない一夜が残るだけになります。たとえばテンマクデザインの煙突穴付きサーカスは「外吸気式薪ストーブ専用」と公式に明記されていて、手持ちのどのストーブでも入れてよいわけではありません。
この記事では、2026年10月時点でメーカー公式に現行品として掲載されている煙突穴付きテント4張りを、重量・素材・耐水圧・価格で比べながら、ソロとデュオ以上での選び分け、後付けの煙突穴という選択肢、テント内で薪を燃やす前に必ず押さえたい安全手順までを順番に整理していきます。
・薪ストーブテントを選ぶときに見るべき「素材・煙突径・人数」の3軸
・現行で買える煙突穴付きテント4張りのスペック比較(重量・耐水圧・価格)
・テント内で薪ストーブを使う前に知っておきたい一酸化炭素と火災の対策
・ソロ・デュオ・ファミリー別のおすすめの組み合わせ
薪ストーブテントとは?煙突穴があるだけでは安全にならない理由

「煙突を外に出せる構造」を持つテントが薪ストーブテント
薪ストーブテントとは、テントの生地に煙突を通すための耐熱パーツ(ストーブジャック、チムニーホール、煙突ポートなどと呼ばれます)を備え、テントの中に置いた薪ストーブの排気を外へ逃がせるように作られたテントのことです。海外では「ホットテント」と呼ばれることも多く、POMOLYの商品ページでも「キャンピングホットテント」という表記が使われています。
耐熱パーツの素材はメーカーによって違い、テンマクデザインのサーカスTC+ チムニーウォールはグラスファイバーにシリコンコーティングを施したもの(約200℃耐熱)、POMOLYのBarracuda 2は高耐熱シリコンのストーブジャックを1箇所備えています。共通しているのは、高温になる煙突とテント生地の間に「燃えにくい緩衝地帯」を作るという考え方です。
使う場面としては、気温が氷点下に近い冬キャンプで、夕食後から寝るまでの時間を幕内で過ごしたい人に向きます。ソロならパップテントの前室に小型ストーブを置き、デュオ以上ならワンポールやドームの中央寄りに置いて囲む、というスタイルが一般的です。
ただし、ストーブジャックがあるのはあくまで「煙突の通り道」が用意されているだけで、テント内の空気や一酸化炭素の安全までは保証してくれません。ここを取り違えると事故につながるので、次の見出しで詳しく見ていきます。
ストーブジャックは「耐熱」でも縫い目は燃える
見落としがちなのが、耐熱素材で作られているのはジャックの布部分だけ、という点です。POMOLYの公式ページには「ストーブジャック自体は耐熱素材を使用していますが、縫製部分には耐熱性がありません」とはっきり書かれています。また耐火布であっても、高温の煙突に長時間さらされると炭化して耐火効果が徐々に落ちていく、という注意書きもあります。
つまり、煙突がジャックの中央を通っていて、生地や縫い目と距離が取れていることが前提条件です。POMOLYはジャックのカバーを巻き上げてしっかり固定すること、煙突をジャックの中央に通すこと、風や揺れで煙突が動いて生地に触れないか定期的に確認することを推奨しています。
具体的な場面で言うと、強風の夜にテントがあおられると、幕体が揺れて煙突との距離が一瞬で縮まります。張り綱をストーブ周辺でしっかり効かせるのはこのためで、STOVEHUT 70がストーブ周辺にガイロープ取付ポイントを2か所追加しているのも、風と積雪で生地がストーブ側に押し込まれるのを防ぐ狙いです。
デメリットとして、ジャック周りは消耗品だと割り切る必要があります。長く使えば炭化や縫い目の劣化は避けられないので、シーズンごとに目視で焦げ・変色・ほつれを点検しましょう。
メーカーが「専用」と書いている意味を読み飛ばさない
煙突穴付きのテントを買ったからといって、手持ちのどの薪ストーブでも入れてよいとは限りません。テンマクデザインのサーカスTC+ チムニーウォールは、公式ページで「テンマクデザイン外吸気式薪ストーブ専用」と明記し、他の薪ストーブや火気の使用を禁じています。さらに煙突の先端はテント上部から約1m上げる必要がある、という設置条件も添えられています。
外吸気式とは、燃焼に使う空気をテントの外から取り込む方式のことです。テンマクデザインは対応ストーブとして「新ウッドストーブサイドヴューアウトサイドエア M」(税込87,780円)を「外から外気を取り込む安全設計」と紹介しています。室内の酸素を燃焼に使わない設計にすることで、幕内の空気を守ろうという発想です。
この条件はサーカスを持っている人ほど注意したいポイントです。すでにウッドストーブSや通常のサイドヴューMを持っていても、チムニーウォールのメーカー想定には入っていません。テントとストーブはセットで選ぶ、と考えておくと失敗しません。
逆に言えば、POMOLYやGOGlampingのように特定のストーブを指定していないテントでは、ストーブの選定と設置の判断はユーザー側に委ねられています。自由度が高いぶん、責任も自分で背負うことになる点は理解しておきましょう。
一般社団法人日本オートキャンプ協会は、テント内での火器の使用は一酸化炭素中毒による死亡事故や火災につながるおそれがあるとして、テント内で火器を使用しないよう呼びかけています。使用するなら各メーカーの取扱説明書の条件をすべて満たしたうえで、という立場です(出典:日本オートキャンプ協会「テント内での火器使用について」)。薪ストーブテントは「安全が保証された道具」ではなく「条件を満たせば使える道具」だと考えてください。
失敗しない選び方は「素材・煙突径・人数」の3つで決まる
火の粉に強いのはTC、軽さで選ぶならナイロン・ポリエステル
素材は、火の粉への強さと重量のトレードオフで選びます。TC(ポリエステルとコットンの混紡)は、サーカスTC+ チムニーウォールもG・G PUP2.0もポリエステル65%・コットン35%の配合です。GOGlampingは公式ページで、難燃性のTC生地は焚き火やストーブを近くで楽しめると説明しています。結露しにくいのもTCの長所です。
一方、POMOLYのSTOVEHUT 70は70Dリップストップ(PUコーティング、耐水圧2500mm)、Barracuda 2は40Dリップストップシルナイロン(PUコーティング3000mm)です。化繊は火の粉が当たると小さな穴が開きやすい反面、同じ広さでも軽く、雨に強いのが持ち味です。
選び方の目安としては、車で乗り入れるオートキャンプ中心ならTC、徒歩やバイクで荷物を絞りたいならナイロン・ポリエステル、という分け方が現実的です。冬だけでなく夏も同じテントを使いたい人は、TCの遮光性も魅力になります。
デメリットも押さえておきましょう。TCは重く、濡れると乾きにくく、乾かさずに収納するとカビが出ます。化繊は火の粉対策が必須で、POMOLY自身も煙突上部へのスパークアレスター(火の粉止め)の設置をすすめています。

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煙突径とストーブジャックの相性を先に確認する
次に確認したいのが煙突の太さです。薪ストーブの煙突径は製品ごとに違い、テンマクデザインの場合、ウッドストーブSは53mm、新ウッドストーブサイドヴューMは76mmです。テント側のジャックがその太さを受け入れられるかどうかで、組み合わせの可否が決まります。
POMOLYのSTOVEHUT 70は、この問題を「DIYストーブジャック」で解決しています。付属の耐熱ジャックにナイフで十字型の切り込みを入れ、使う煙突の太さに合わせて自分で穴を作る方式です。ブッシュクラフト的な発想で、手持ちのストーブを活かしたい人にとっては扱いやすい仕組みといえます。
Barracuda 2のストーブジャックは「市販のあらゆるストーブに対応」と公式に書かれていますが、それでも煙突がジャックの中央を通り、生地と距離が取れるかは実物で確かめる必要があります。ストーブの設置位置を前後に動かして、煙突が斜めにならない場所を探すのが基本です。
注意したいのは、切り込み式のジャックは一度切ったら元に戻らないことです。最初は小さめに切って、煙突を通しながら少しずつ広げると失敗しません。ナイフはよく切れる刃でまっすぐ切ると、断面がほつれにくくなります。
「何人用」ではなく「ストーブ込みで何人か」で考える
3つ目の軸が人数です。薪ストーブテントの収容人数は、ストーブを置いた状態で表記されていることがあります。POMOLYの表記はわかりやすく、STOVEHUT 70は「テント薪ストーブ使用で1〜2人」、Barracuda 2は「2人&ストーブ1台」となっています。
ストーブの周りには燃えやすいものを置けない空間が必要で、寝袋やマットをストーブに寄せることはできません。そのぶん、カタログ上の人数より1人少なく見積もっておくと、幕内で窮屈な思いをせずに済みます。Barracuda 2は床面積6平方メートル・天井高190cmで、コット2台とストーブを置いてもゆとりがあると公式に説明されています。
ソロでもストーブ周りの作業空間は欲しいもの。STOVEHUT 70のフロア面積は3.3平方メートル、ピーク高さ125cmで、座って過ごすロースタイル向きです。立って着替えたい、薪を割った後に幕内で整理したいという人は、天井の高いモデルを選ぶほうが快適です。
注意点として、広いテントほど暖めるのに時間と薪がかかります。ソロで大型幕を使うと、ストーブを焚き続けても足元が冷えたままになりがちです。
TCは化繊より火の粉に強い素材ですが、燃えないわけではありません。原因は「難燃=不燃」と思い込み、煙突上部の火の粉対策をしなかったこと。湿った薪を使って火の粉が増えると、屋根に焦げ跡が点々と残ります。対策は、煙突上部にスパークアレスターを付けること、よく乾いた薪を使うこと、そしてPOMOLYが書いているとおり「薪を頻繁に動かさず静かに燃やす」ことです。
現行で買える4張りをスペックで比較(キャンプ&ナイフの教科書調べ)

4張りの重量・素材・価格を一覧で見る
まずは全体像からです。2026年10月1日時点で各メーカー公式サイトの現行ラインナップに掲載され、POMOLYについては公式の在庫情報(2026年8月21日更新)で在庫ありとされている4張りを、キャンプ&ナイフの教科書が公式スペックから一覧にまとめました。
| 項目 | STOVEHUT 70 3.0Ver. | G・G PUP2.0 | Barracuda 2 | サーカスTC+ チムニーウォール |
|---|---|---|---|---|
| メーカー | POMOLY | GOGlamping | POMOLY | tent-Mark DESIGNS |
| 公式価格 | 28,499円 | 20,280円(通常価格) | 65,999円 | 48,400円(税込) |
| 重量 | 3kg(ポールなし) | 約6.3kg | 5.66kg | 約11.40kg(総重量) |
| 素材 | 70Dリップストップ | TC | 40Dシルナイロン | TC |
| 耐水圧 | 2500mm | 公式記載なし | 3000mm | 表面撥水加工 |
| 人数の目安 | ストーブ使用で1〜2人 | 1人 | 2人&ストーブ1台 | グループ向けの大型ワンポール |
| 煙突穴の形式 | DIY耐熱ジャック(切り込み式) | 三角窓に耐熱シート | 高耐熱シリコンジャック | グラスファイバー製チムニーホール |
| ストーブ指定 | 指定なし | 指定なし | 指定なし | 自社の外吸気式専用 |
表を見るとわかるとおり、軽さならSTOVEHUT 70、価格ならG・G PUP2.0、広さと耐水性ならBarracuda 2、TCの大型幕でメーカー指定の組み合わせを重視するならサーカスTC+ チムニーウォールと、4張りの得意分野はきれいに分かれています。
重量差は「運び方」で効いてくる
重量の差は、キャンプ場までの運び方で効き方が変わります。STOVEHUT 70は公式仕様表で3kg(ポールなし)、収納サイズは50×16×16cmで、ザックの外付けやバイクのシートバッグにも収まるサイズ感です。ポールはオプション扱いなので、トレッキングポール2本や立ち木とパラコードで張る前提の人に向いています。
反対にサーカスTC+ チムニーウォールは総重量約11.40kg(幕体のみ約6.43kg、メインポール約2.4kg)、収納サイズは約650×260mmです。スチールの5本継ぎポール(φ32mm×2,800mm)を含む重さなので、駐車場からサイトまでの距離が短いオートキャンプ場で真価を発揮します。
中間に位置するのがBarracuda 2の5.66kg(アウターテント3.4kg、ポール2.3kg)と、G・G PUP2.0の約6.3kgです。G・G PUP2.0の収納サイズは約56×12×12cmと細長く、TCのパップテントとしては持ち運びやすい部類に入ります。
ここで注意したいのは、テントの重量に薪ストーブ本体と煙突、薪、耐熱マットが加わることです。テント単体が軽くても、ストーブ一式で荷物は一気に増えます。徒歩やバイクで行く人は、ストーブ側の重量も合わせて計算してください。

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価格で見るとTCパップが入口、メーカー純正セットは投資型
価格面では、G・G PUP2.0の通常価格20,280円が4張りの中でもっとも手に取りやすい水準です。公式ストアでは時期によってセール価格が設定されることもあり、本記事の調査時点では18,252円程度で販売されていました(価格は変動します)。次いでSTOVEHUT 70の28,499円、サーカスTC+ チムニーウォールの48,400円(税込)、Barracuda 2の65,999円と続きます。
ただし、テント代だけで比べると判断を誤ります。サーカスTC+ チムニーウォールはテンマクデザインの外吸気式ストーブとの組み合わせが前提なので、新ウッドストーブサイドヴューアウトサイドエア M(税込87,780円)まで含めた「セット投資」として考える必要があります。
POMOLYやGOGlampingのようにストーブを指定しないテントなら、すでに持っているストーブを活かせる可能性があります。手持ちの焚き火道具や小型ストーブを流用したい人ほど、トータルの出費は抑えやすくなります。
デメリットとしては、安価な組み合わせほど「安全の判断を自分でする」比重が高くなることです。価格差の一部は、メーカーが設置条件まで面倒を見てくれるかどうかの差だと捉えておくと納得しやすいでしょう。
ソロ向けパップ2張り:STOVEHUT 70とG・G PUP2.0の実力
STOVEHUT 70は「軽さとDIYジャック」で選ぶソロ幕
結論から言うと、STOVEHUT 70は荷物を軽くしたいソロキャンパーや、ブッシュクラフト寄りのスタイルで手持ちのストーブを使いたい人に向いた1張りです。3.0Ver.になって換気口の外側に二重構造の生地が採用され、前後の稜線部分にもシーム処理が追加されるなど、防水まわりが手直しされています。
根拠となるスペックは、70Dリップストップ・PUコーティング、耐水圧2500mm、フロア面積3.3平方メートル、ピーク高さ125cm、収納サイズ50×16×16cmです。ドアは3つあり、取り外し可能なスノースカートも付いています。生地とメッシュを組み合わせた二重構造のドアで、換気と虫よけを切り替えられます。
使う場面としては、徒歩やバイクで林間サイトに入り、小型ストーブで湯を沸かしつつ暖を取る、という冬のソロキャンプが一番しっくりきます。トレッキングポール2本で設営できるので、ポールを持たない分だけ荷物を減らせます。
注意点は、化繊のため火の粉対策が欠かせないことと、ポールが同梱されていない(オプション)ことです。初めての1張りとして買う場合は、ポールの手配まで含めて準備しましょう。
| 商品名 | STOVEHUT 70 3.0Ver. |
| メーカー | POMOLY |
| 価格 | 28,499円(公式ストア) |
| 重量 | 3kg(ポールなし) |
| サイズ | ピーク高さ125cm/収納50×16×16cm |
| 素材・特徴 | 70Dリップストップ(耐水圧2500mm)、DIY耐熱ストーブジャック、スノースカート付き |
出典:POMOLY公式 STOVEHUT 70 3.0Ver.
G・G PUP2.0はTCの安心感を2万円台で手に入れる選択
G・G PUP2.0は、TC素材のパップテントで薪ストーブに挑戦してみたい人の入口になる1張りです。ポリエステル65%・コットン35%のTC生地で、GOGlampingは難燃性の高さから焚き火を近くで楽しめると説明しています。
煙突穴の仕組みはユニークで、左右対称の三角窓に耐熱シートとメッシュシートが標準で付属します。普段はメッシュで換気窓として使い、ストーブを入れる日は耐熱シートに付け替えて煙突穴にする、という使い分けができます。設営サイズは約365×200×155cm、重量は約6.3kg、付属品はメインポール2本・サブポール2本・ロープ6本・ペグ10本です。
向いているのは、車で行くソロキャンプで、秋から冬にかけてTCの暖かみを楽しみたい人です。ポールが付属するので、買ったその日から設営に必要なものがそろいます。別売りのTC前幕やインナーテントを組み合わせて、季節ごとにレイアウトを変えられる拡張性も魅力です。
デメリットは、TCならではの重さと乾きにくさ、そして公式に耐水圧の数値が記載されていない点です。雨の多いシーズンは撤収後に必ず乾燥させましょう。また、三角窓の煙突穴は高さが限られるので、煙突の取り回しはストーブの位置で調整する必要があります。
パップ型でストーブを置くときの「前室問題」
パップテントで薪ストーブを使うとき、多くの人が悩むのがストーブの置き場所です。結論としては、就寝スペースとストーブの間に十分な距離を取れるレイアウトかどうかを、購入前に確認しておくことが大切です。
理由は、パップテントは奥行きが限られ、ストーブを置くと寝床との距離が縮まりやすいからです。POMOLYは公式ページで、インナーテントやテントマットの上でストーブを使わないこと、ストーブの下に布地など熱に弱いものを置かないことを注意事項として挙げています。熱は底部にゆっくり蓄積していくため、短時間なら平気でも、夜通しだと敷物が傷むことがあります。
具体的には、ストーブは土の地面か耐熱マットの上に置き、寝袋やマットはストーブの反対側に寄せます。ストーブの脚はペグで固定し、揺れや転倒を防ぐのがPOMOLYの推奨です。小さな子どもがいる場合は、煙突の下部に耐火テープを巻いて、うっかり触れたときの火傷を防ぐ方法も紹介されています。
注意点として、パップ型は出入り口側に開口部が集中するため、換気のために入口を開けると冷気がストーブ側から入ってきます。暖かさと換気のバランスを取りながら、空気の通り道を必ず確保してください。

氷点下の朝、テントの中で目が覚めたら背中だけがキンキンに冷えていた。ストーブを焚いているのに足元だけ寒い。荷物が散らかって寝る場所が確保できない。冬キャンプのテ…
デュオ〜グループなら?サーカスTC+ チムニーウォールとBarracuda 2

サーカスTC+ チムニーウォールは「純正の組み合わせ」を買う幕
サーカスTC+ チムニーウォールは、テンマクデザインのストーブとセットで冬の大型幕を構えたい人のための選択肢です。2025年1月に登場した、サーカスシリーズのTC+をベースに煙突穴を設けたモデルで、夏は煙突穴部分をTPUのクリア窓に替えて採光窓として使えるのが特徴です。
スペックは、設営サイズ約4,420×4,200×2,800mm、総重量約11.40kg、素材はポリエステル65%・コットン35%のTC(表面撥水加工)です。チムニーホールはグラスファイバーにシリコンコーティングを施したもので約200℃の耐熱、付属品はペグ16本・張り綱5本・収納ケース4個・煙突穴向けシート2種となっています。
使う場面としては、デュオやファミリーで冬のオートキャンプに出かけ、天井の高いワンポールの中でストーブを囲みたいケースが中心です。窓付きストーブと組み合わせれば、炎を眺めながら食事をする時間が冬の主役になります。
デメリットは、外吸気式薪ストーブ専用という制約と、ストーブまで含めた総額です。煙突先端をテント上部から約1m上げる条件もあるため、煙突の長さもあらかじめ確認しておきましょう。
| 商品名 | サーカスTC+ チムニーウォール |
| メーカー | tent-Mark DESIGNS |
| 価格 | 48,400円(税込) |
| 重量 | 約11.40kg(総重量)/約6.43kg(幕体のみ) |
| サイズ | 設営 約4,420×4,200×2,800mm/収納 約650×260mm |
| 素材・特徴 | TC(表面撥水加工)、グラスファイバー製チムニーホール、TPUクリア窓、外吸気式薪ストーブ専用 |
出典:tent-Mark DESIGNS公式 サーカスTC+ チムニーウォール
メーカー指定の外吸気式ストーブと組んで冬のTC大型幕を構えたいなら、この1張り▼
Barracuda 2は「2人で快適に」を優先する自立式ドーム
Barracuda 2は、2人で薪ストーブを囲みながらも、幕内でコットを並べてゆったり眠りたい人向けの自立式ドームです。POMOLYの2026年新作で、独自のアーチ型ブリッジフレームを4本のアルミポール(7001アルミニウム合金)で支える構造になっています。
スペックは、床面積6平方メートル、天井高190cm、重さ5.66kg、生地は40Dリップストップシルナイロン(PUコーティング3000mm)です。出入り口は2つあり、メッシュ素材のベンチレーターも備えています。ストーブジャックは高耐熱シリコン製で1箇所に設けられています。
使う場面としては、夫婦やキャンプ仲間とのデュオキャンプで、雪の降る時期も含めて冬に通いたいケースです。自立式なのでペグが効きにくい地面でも形を作りやすく、ワンポールより壁が立ち上がる分、幕内の有効スペースを広く使えます。
注意点は、ナイロン生地なので火の粉対策が必須であることと、価格が65,999円と4張りの中で高めであることです。ストーブを別に用意する必要もあるので、予算はテントとストーブを合わせて組み立てましょう。
大型幕は「暖まり方」と「結露」がソロ幕と別物
デュオ以上の大型幕で薪ストーブを使うと、ソロ幕とは暖まり方が変わります。結論として、大型幕は天井付近に暖気がたまりやすく、足元との温度差が出やすいと考えておきましょう。
理由は単純で、空間が大きいほど暖める空気の量が増え、暖かい空気は上へ逃げるからです。サーカスTC+ チムニーウォールは高さ約2,800mm、Barracuda 2は天井高190cmと、天井が高いモデルほどこの傾向が出やすくなります。
対策としては、床面にラグやコットを使って地面からの冷えを遮断し、ストーブの近くで過ごす時間を長く取る、という使い方が現実的です。結露については、TCは結露しにくい素材ですが、化繊のBarracuda 2では換気を取りながら使うことで内側の水滴を抑えられます。
注意したいのは、結露を嫌って換気口を閉じてしまうことです。換気は結露対策であると同時に一酸化炭素対策でもあるので、寒くても空気の通り道は残しておきましょう。この点は次の章で詳しく扱います。
一酸化炭素と火災をどう防ぐ?テント内で薪を燃やす前の安全手順
公的機関はテント内の火器使用をどう見ているか
最初に押さえておきたいのは、公的な立場の機関はテント内での火器使用に慎重だということです。製品評価技術基盤機構(NITE)は、テント内では石油ストーブなどの石油器具やガスこんろなどのガス器具を使用しないよう呼びかけ、一酸化炭素中毒や酸欠によって窒息し、死亡するおそれがあると警告しています(出典:NITE 製品安全情報マガジン「一酸化炭素中毒の事故」)。
薪ストーブも燃焼によって一酸化炭素を出す器具であることに変わりはありません。日本オートキャンプ協会も、テント内での火器使用は一酸化炭素中毒による死亡事故や火災につながる可能性があるとして、使わないよう呼びかけたうえで、使うならメーカーの取扱説明書の条件をクリアした場合のみ、という立場をとっています。
この記事で紹介しているテントは、どれもメーカーが煙突を通す構造を用意しているものです。それでも「メーカーが想定している使い方」から外れれば、安全の前提は崩れます。取扱説明書を読み、設置条件をすべて満たしてから火を入れる、という順番を守ってください。
注意点として、キャンプ場によってはテント内での薪ストーブ使用そのものを認めていないところもあります。予約前に利用ルールを確認しておくと、現地で困らずに済みます。
冬キャンプで聞く失敗で多いのが、ストーブを焚いたまま寝袋に入り、そのまま眠ってしまうパターンです。原因は「煙突があるから排気は外に出ている」という思い込みと、寒さで換気口を閉じてしまうこと。煙突の継ぎ目からの漏れや、不完全燃焼の可能性はゼロにはなりません。対策は、就寝前に火を落とす段取りを最初から決めておくこと、一酸化炭素チェッカー(警報器)を就寝スペースの近くに置くこと、換気口を閉め切らないことの3つです。
設営前にやっておく3つの準備
安全対策は、火を入れる前の準備でほとんど決まります。まずはテントをしっかり固定することです。POMOLYは、ストーブを設置する前にテントがペグとポールでしっかり固定され、たるみや崩れがないことを確認するよう推奨しています。スノースカートがあるテントは、スカートの上に石や土を載せて安定性を高める方法も紹介されています。
次にストーブの固定です。ストーブの脚をペグで固定して、揺れや転倒、火花の飛び散りを防ぎます。煙突が高い場合は、上部にスパークアレスターを付けたうえで、ガイロープなどで補強して風による転倒リスクを抑えます。サーカスTC+ チムニーウォールでは、煙突先端をテント上部から約1m上げることが条件です。
最後に、ストーブの下と周りの確認です。熱に弱い布地やマットをストーブの下に置かない、インナーテントの上でストーブを使わない、という基本を守ります。煙突がテントの開口部に接する部分には耐火テープを巻くと、熱による生地の損傷リスクを減らせるとPOMOLYは説明しています。
注意点として、これらの準備は「暗くなってから」やるとミスが増えます。日が高いうちに設営とストーブの仮組みまで終わらせておくのが、冬キャンプの鉄則です。
燃やし方でクレオソートと火の粉は減らせる
安全に使い続けるためには、燃やし方そのものも大切です。結論として、乾いた薪を静かに燃やすことが、煙突のトラブルとテントの焦げを同時に減らす一番の近道です。
POMOLYによると、湿った薪や油分を含む薪を使うと不完全燃焼を起こし、煙突内部にクレオソート(タール)が付着しやすくなります。たまったクレオソートは掃除の手間を増やすだけでなく、煙の流れを悪くします。対策として、薪は使う前にストーブの近くで乾かし、完全に乾燥させてから燃やすことがすすめられています。
火の粉については、薪を頻繁に動かすと飛びやすくなるので、なるべく静かに燃やすのがポイントだとされています。具体的には、太めの薪を数本入れて空気量を調整し、火かき棒でつつき回さない、という燃やし方です。ナイフでバトニングして細く割った焚き付けを最初に使い、火が安定したら太い薪に移ると、煙も火の粉も抑えられます。
注意点として、焚き付けを一度に入れすぎると急激に燃え上がり、煙突が高温になって火の粉も増えます。ストーブの窓や空気口を見ながら、少しずつ足していきましょう。
薪ストーブテントを持っていない人の選択肢と、シーン別の使い分け
今のテントに煙突穴を付ける「後付け」という道
すでにテンマクデザインのテントを持っているなら、新しく薪ストーブテントを買わずに煙突穴を後付けする方法があります。テンマクデザインの「チムニーホール取付けサービス」で、価格は15,500円(税込)、TC生地・ポリエステル素材共通の価格です。工賃・資材・返送料・代引き手数料が含まれます。
対象はテンマクデザイン製のテント・タープのみで、外吸気式薪ストーブ専用の加工になります。フラップサイズは50×60cmの四角形で、取付位置は煙突位置の中央にボールペンで×印を付けて指定します。納期は約1〜2週間、申し込みは修理センターへのメール連絡のみで、電話や店舗では受け付けていません。傾斜の緩やかな面にはファスナーガード(3,500円)の追加がすすめられています。
この方法が向いているのは、サーカスシリーズなどをすでに愛用していて、テントは変えずに冬の楽しみ方を広げたい人です。慣れた幕で設営の手間が増えないのは大きなメリットです。
注意点として、テント本体の縫製線上には煙突穴フラップを加工できません。自分のテントのどこに穴を開けられるか、ストーブを置ける位置と合わせて事前に検討しておきましょう。出典:tent-Mark DESIGNS公式 チムニーホール取付けサービス
実は「煙突穴付き=何でも燃やせる」ではない
意外と知られていないけれど、煙突穴付きのテントほど「どのストーブを使うか」の制約が強いことがあります。ここまで見てきたとおり、サーカスTC+ チムニーウォールやテンマクデザインの後付けサービスは、外吸気式薪ストーブ専用という条件付きです。
これは裏を返すと、メーカーが「この組み合わせなら設計上の想定内」と線を引いているということでもあります。自由度が低いぶん、テント・ストーブ・煙突の寸法や耐熱の条件がメーカー側で整合しているので、初めて薪ストーブを入れる人にとってはむしろ迷いが少ない選択肢になります。
反対に、ストーブを指定しないPOMOLYやGOGlampingは、手持ちのストーブを流用できる自由があります。中〜上級者が自分の道具で組み合わせを試すには向いていますが、煙突径・高さ・距離の判断をすべて自分で行う必要があります。
もう1つ知っておきたいのが、薪ストーブテントは廃番の入れ替わりが早いことです。POMOLYの公式在庫情報(2026年8月21日更新)では、同じSTOVEHUTシリーズでもSTOVEHUT TCとSTOVEHUT BLACKが生産・販売終了と記載されていました。中古やフリマで旧モデルを買うときは、交換用ジャックなどのパーツが手に入るかも確認しておくと安心です。
ソロ・デュオ・ファミリー別のおすすめの組み合わせ
最後に、読者のタイプ別におすすめの組み合わせを整理します。まずソロで、徒歩やバイクで移動する人には、3kg(ポールなし)のSTOVEHUT 70に小型ストーブを組み合わせる構成が合います。DIYジャックで煙突径を合わせられるので、手持ちのストーブを活かしやすいのが利点です。
ソロでも車移動が中心で、TCの安心感を重視するなら、G・G PUP2.0が候補になります。ポールが付属し、三角窓の耐熱シートで煙突穴を作れるので、道具をそろえる手間が少なく済みます。
デュオで、コットを2台並べて寝たいならBarracuda 2が向いています。床面積6平方メートル・天井高190cmの空間に、2人とストーブ1台が収まる設計です。ファミリーやグループで、メーカー指定の安全設計を重視するなら、サーカスTC+ チムニーウォールと外吸気式ストーブの組み合わせが最有力です。
どのタイプでも共通する注意点は、初回は自宅近くのキャンプ場で、日中に設営とストーブの試し焚きをしてみることです。いきなり厳冬期の遠征で試すより、トラブルが起きても撤退しやすい環境で慣れておくほうが、結果的に冬を長く楽しめます。
薪ストーブの焚き付け作りは、ナイフ好きにとって冬キャンプのいちばん楽しい時間かもしれません。乾いた薪をバトニングで細く割り、フェザースティックを数本作っておくと、ストーブの中で煙を出さずに一気に火が回ります。煙が少ない燃え始めは、クレオソートと火の粉を減らすことにもつながります。
まとめ
まずは手持ちのストーブの煙突径を測り、この記事の比較表と照らし合わせて「入れられるテント」を絞り込むところから始めてみてください。初回の火入れは近場のキャンプ場で、日が高いうちに試し焚きをすると安心です。
※価格・在庫・仕様は2026年10月1日時点の各メーカー公式サイトの情報です。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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